金久右衛門@深江

 金久右衛門に来るのは実に5年ぶり。





金久右衛門@深江


 あれれ看板がなくなっている。
 昔はこう↓だったのに。


昔の店構え@金久右衛門

 何かあったの? 改装? 移転準備?と思ったら、『関西激うまラーメン』(昭文社)にこんな記述が......

看板をなくし、知る人ぞ知る隠れ家的なイメージに改装。

 ええええええ? わざと? 「知る人ぞ知る隠れ家的なイメージ」を作るために?

 本気マジか?
 真剣マジか?
 真面目マジか?

 いや、あるいは本当はこの文章以上の理由があるやもしれず、軽々しく判断してはいけないのだろうが......。なんだそりゃ。

 この本は2007年1月発行だから、少なくとも2006年末には看板がなくなっていたわけだ。
 へぇ。

 ......などという話は食べる時には知らなかったわけで、こういう先入観を持って食べたわけではない。

 5年前にこの店で食べた印象は、醤油の風味が少し焦げ臭いような(ほんとに焦げてるかどうかわからないけど)感じがあって、中の上、といったものだったと思う。(以前の私は「インパクトはないが誠実さを感じさせる味」とまとめている

 それ以来、この店に関しては「もちろんマズくはないが、特に『うまいッ!』といわせるものでもなく、少なくとも堺くんだりからこの店目指して来るほどの"引き"はない」という印象を持ってここまで来た。

 今回、食べる前にもし「先入観」というものがあったとすれば、こういった記憶くらいだろうか。

 大阪ブラック(¥700)を太麺で頼んだ。



大阪ブラック@金久右衛門
この日の写真はピントが合ってなくてかっちょ悪い。すまぬ


 具はメンマ、ネギ、チャーシュー。
 麺は太平ストレート。
 スープは濃口醤油ベース。それに結構多めの鶏油がのっている。


これもピントが合ってない。すまぬ。

 この大阪ブラックは、「人気の黒醤油をベースに、イカのワタ・エビ等の風味を効かせかなり味わい深く仕上げました」という。更にこれのベースになっているという黒醤油ラーメンは「魚貝を使わず仕上げた大阪オリジナルの味」「濃口醤油ベースのしっかり味」「チャーシューの煮汁で旨味を強調させた、バランスのいい味」という説明がついている。
 なるほど、この魚貝類の香りはイカやエビなのね。

 麺は平麺ながらほんとに太い。きしめんみたい。#6とか#8とかかも。なかなか特徴的な麺だ。
 しかし面白いなあ。前回、私は、

太麺(平麺)で食ったが、平麺ならもうちょっと固めの方がいいかも。その方が食ってる!って感じが出せると思う。

 と書いたのに、今回は正反対の印象を持った。「ちょっと固すぎる」と。(^O^) (前回も太麺で食べた)

 麺はあれから変わったのだろうか? それはわからないが、私自身は確実に変わっている。昔は固いこととコシがあることとの違いもわかってなかったし、ひょっとしたら当時は「固め」至上主義みたいなラヲタにありがちな固定観念をまだ持っていたかもしれない。
 勝手なもんだ。すまぬ。

 「全粒粉やうどん粉もブレンド」し、モチモチ感を出そうとしているのだろうから、だったらこんなに固めに茹であげるのはもったいない。この麺は「超多加水」で、食べ進んでいってもあまり伸びないのだから、もう少し柔らかめに仕上げてもいいんじゃないかなあ。あるいは「超多加水」だからこれ以上茹でてもあまり固さが変わらないのかもしれない。あるいはオペレーション的にこれ以上茹で時間を取るのは難しいのかもしれない。だとしたらもう少し加水率を下げてもいいかもなあ......とか思うけど、まあそこまで言うと勝手な話だよね。

(この店は太麺と細麺を選べる。説明書きによると、「太メン:平打ち、超多加水・卵メン」「細メン:極細、多加水・卵メン」とのことで、この説明は5年前に来た時から変わっていない。デフォルトは細麺で、太麺はあくまでも指定したらということなので、太麺を中心にこのラーメンを考えるのは気の毒なのかもしれないとも思う)

 チャーシューは脂身がかなり多めのごく標準的な味付けのもの。

 スープはそこそこウマかった。後味に少し苦みが残るような気がしたけども、食べている最中には気にならない。......とはいえ、もうほとんど忘れているはずの5年前の印象を凌駕するものではなかったことも事実。ハードルは低かったはずなんだけどもなあ。



油はそれなりに多め

 何と言ったらいいのか、前回と評価が全く変わらないような気がする。つまり、

「もちろんマズくはないが、特に『うまいッ!』といわせるものでもなく、少なくとも堺くんだりからこの店目指して来るほどの"引き"はない」

 と。おそらくおいしいのだと思うし、評価する人がたくさんいるだろうことも想像できる。そういう味。でも、私はこうだ。

 思い返せば一等星でも同じことを感じた。

 きっと、私の好みは大蔵氏(金久右衛門店主)の作るラーメンとは合わないのだ。だから私が正面切ってここのラーメンについて云々してはいけないのだと思う。私は彼のラーメンを評価できる軸を持っていない。

 もしも1つ、私が断言できることがあるとすれば......。

 この餃子はヒドい。prz



昼はギョーザが¥150。安いけど......。

 

 接客はよかった。

 いや実際、地元の人や(ラヲタではない)普通の人の日常食として食べてもらいたいというのであれば、「堺くんだりからこの店目指して来るほどの"引き"はない」という私の感想は、むしろしてやったりだと思うんだよね。そういう姿勢を感じないでもない味だった。

 でも、だったらどうして看板をなくしたんだろう?

 「知る人ぞ知る隠れ家的なイメージに」って、それ、一般人じゃなくラヲタを相手に商売するってことじゃないの? 少なくとも新規の通りがかりの客に来てほしいとは思ってない......ってことのように見える。

 あるいはもうこれ以上客が増えても手が回らないということか。

 さすがに単純な話ではないとは思うけど、真相はよくわからない。聞けば教えてくれるのかなあ。
 いつか聞いてみよう。次いつ行くかわからないけど。

 先日、らぁめんたむら金久右衛門大好きな方とお会いした。
 近所なのだという。応援してるそうだ。

 そう、地元のいい店は守らなくちゃならない。
 私も純情屋綿麺竹麺亭は贔屓する。

 それでいいのだと思うよ。

公式サイト
http://www.king-emon.jp/

食べログ
http://r.tabelog.com/osaka/A2703/A270306/27002999/

突然食いたくなったものリスト:

  • ざるそば

本日のBGM:
大きな玉ねぎの下で ~はるかなる想い~ /BAKUFU-SLUMP
初恋 ~はるかなる想い~ /YURIMARI






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コメント(2)

かなラー :

先日 たむら で遅くまで有り難うございました

またお会いした時は ヨロシクです (笑)

hietaro :

>かなラーさん
 
先日はお世話になりました。
楽しい時間を過ごさせていただきました。
 
金久右衛門はこんな評価になりましたが、お気を悪くされませんよう。m(_ _)m
またお会いできましたら、こちらこそどうぞよろしくです。m(_ _)m

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このページは、hietaroが2009年10月19日 01:55に書いたブログ記事です。

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