※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

IAEA “原発の8割老朽化進む”

3月15日 5時13分

IAEA “原発の8割老朽化進む”
K10037324311_1203150527_1203150529

IAEA=国際原子力機関は、世界の原子力発電所のうち80パーセントが運転開始から20年を超え老朽化が進んでいることから、その耐用年数について徹底的に検証し、世界の原発の安全を確保するべきだと訴えています。

IAEAはことし9月の総会へ提出する原発の安全に関した年次報告書の草案をまとめ、先月加盟国へ配布しました。
NHKが入手した草案によりますと、去年末の時点で世界で稼働する435基の原発の運転開始からの年数は、20年以上30年未満が43パーセント、30年以上40年未満が32パーセント、40年以上が5パーセントとなっており、全体の80パーセントの原発が20年を超えて老朽化が進み、安全稼働に影響を与える恐れがあると指摘しています。
そのうえでIAEAは「世界の多くの事業者が設計耐用年数を超えて原発を稼働させている」として、老朽化対策として原発の構造といった耐久性や稼働システムなどを徹底的に検証し、原発の安全を確保する必要性を訴えています。
原発の安全を巡っては、天野事務局長は10日、NHKの取材で「安全には最大限配慮しながら原発は選択肢の一つとして残していこうというのが今の現実だ」と述べており、今後はIAEAが主導して各国とともに安全基準の強化に向けて原発の安全点検などの検証を積極的に進めていくことにしています。