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“ニュートリノ光速を超えず”

3月17日 7時20分

“ニュートリノ光速を超えず”
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アインシュタインの相対性理論と矛盾するものとして世界的な注目を集めた、「素粒子のニュートリノは光より速い」とした実験を巡って、別の研究グループが「ニュートリノは光の速さを超えていない」とする結論を明らかにし、当初の実験結果が誤っていたという見方が強まっています。

この実験は、素粒子のニュートリノを、スイスにあるCERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関の実験施設から発射し、イタリアにある地下の研究所でその速さを計測したもので、去年9月、日本を含めた国際的な研究グループが「ニュートリノは光よりも速く到着していた」と発表しました。
この実験結果は、「光より速いものはない」とするアインシュタインの特殊相対性理論と矛盾することから、世界の研究者の大きな注目を集めていました。
ところが、これを検証していた別の研究グループは16日、イタリアの研究所で新たにデータを解析したところ、「ニュートリノは光の速さを超えていない」という結論に達したことを明らかにしました。
研究グループでは、計測をより正確な方法で行い、当初の実験に何らかの問題があったことが分かったとしています。
このため、実験結果が誤っていたという見方が強まっており、CERNでは、ことし5月に再実験を行い、最終的な結論を出したいとしています。