2006年に原発事故の防災指針を国際基準に合わせて改定しようとした内閣府原子力安全委員会に対し、経済産業省原子力安全・保安院が「国民不安を増大する」などと反対する文書を送っていたことが15日、明らかになった。地元への財政支援が増えることも懸念しており、結果的に避難区域の拡大は見送られた。
改定されていれば、福島第1原子力発電所事故での避難を早められた可能性もあり、保安院の当時の姿勢が問われることにもなりそうだ。
同日、安全委員会は当時の内部文書を公開した。文書は打ち合わせの議事録やメールなど59ページ。
防災指針の見直しは、国際原子力機関(IAEA)の改定案に合わせ、06年3月に安全委員会が開始。半径8~10キロメートル圏内とした原子力発電所の「防災対策重点地域(EPZ)」を、半径30キロメートル圏内の「緊急時防護措置準備区域(UPZ)」に拡大し、事故時に即時避難する区域を半径5キロメートル圏内に設けることを検討した。
保安院は同年4月の文書で、(1)住民に居住地などの移転を考えさせることになる(2)従来の説明を変えると国民の不安感が増す(3)防災資機材を整備する地域が広がり財政的支援が増える――などと指摘。「原子力安全に対する国民不安を増大するおそれがあるため、本件の検討を凍結していただきたい」と求めた。
安全委は「国民に対する説明責任の観点から不可欠」と改定を進める考えを示した。これに対し、保安院は「意味不明であり、とうてい理解しがたい」と文書で抗議していた。
IAEA、福島第1原子力発電所、保安院
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