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武雄市がれき受け入れ問題 地元区長「風評被害怖い」 | ||
武雄市議会が東日本大震災で発生したがれきの受け入れを求める決議をしたことを受け、同市は16日、杵藤広域市町村圏組合(管理者・樋渡啓祐武雄市長)が管理するごみ処理場の地元、同市朝日町の区長会への説明を開いた。区長からは「風評被害が怖い。農産物が売れなくなったら、誰が責任を取るのか」「拙速に進めてはいけない」など不安と注文の声が相次いだ。 市議会の決議を受け、市が区長会に要請して開いた。樋渡市長と地元の市議3人、区長8人が出席した。 市議が決議に至った理由を述べた後、樋渡市長が受け入れを前向きに検討していることを説明。その際、広域処理の法整備が前提になるとしながら、「朝日町民の理解、杵藤地区の住民に納得してもらう慎重な段取りが必要」と地元の合意と協力を得て進めていく考えを示した。 これに対し、区長会長は「がれきは何とかしないといけない」としながらも、「放射能の問題、特に風評被害が怖い。朝日町は農村地帯。農産物が売れなくなったら誰が責任を取るのか。地元の理解がないと進まない」と指摘。別の区長も「生産者が納得できる説明を」と注文した。 ある区長は、市議会の決議までに要した時間が短かったことを問題視。「拙速ではいかん。たった一日で、(決議を)取ってつけたようにした。こちらは感情的になりつつある」と声を荒げた。 ごみ処理場の地元の繁昌区と川上区は組合と協定を交わし、構成する3市4町のごみだけを処理することや施設の増設、改善など重要な変更の際は各区と事前協議して了解を得ると定めている。このため、繁昌区長は説明会後、「昨年11月の受け入れ表明の時、事前に市からの連絡はなかった。今回も地元抜きで話が進み、このままでは住民に説明もできない」と憤慨。区長会長も「今のままなら受け入れは厳しい」と話した。 説明を終えた樋渡市長は「住民の不安な心情を感じた。それを払拭(ふっしょく)していくのは国やわれわれの使命。きょうはその第一歩」と話した。今後、風評被害があれば補償を国に求めていくことや、受け入れを表明した静岡県島田市を参考にして進める考えを示した。受け入れる際には「町民の一部に線量計を配布し、市も計測しながら情報は全てオープンにしていく」とした。 |
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2012年03月16日更新 |