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警察官発砲:大阪高裁も「適法」 遺族の控訴棄却

 奈良県大和郡山市で03年、逃走中の乗用車に警察官らが拳銃で銃弾8発を発砲し、2発が高壮日さん(当時28歳)に命中して死亡した事件を巡り、発砲は違法と主張する遺族が、県や警察官らに約1億1700万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、大阪高裁であった。安原清蔵裁判長は「発砲は警察官職務執行法の要件を満たす適法なもので、賠償請求の理由がない」として、原告側敗訴の1審判決を支持し遺族の控訴を棄却した。遺族は上告する方針。

 訴えていたのは高さんの母親の金順得さん(74)。1審の奈良地裁判決は、警察官らの正当防衛を認める一方で「至近距離から車内に銃弾8発を発砲しており(警察官は)車内の人を殺害する可能性があることを認識していたというべきだ」と指摘し、警察官の未必の殺意を認めた。この点について高裁は、発砲は適法と認定し、高さんの死亡については「故意か過失かを検討するまでもない」と判断した。

 判決によると、03年9月、大和郡山市の国道交差点で、他の車両と衝突しながら逃走する乗用車に警察官らが発砲し、銃弾2発が助手席の高さんに命中。高さんは翌月、死亡した。この事件を巡り、付審判決定による裁判員裁判が奈良地裁で開かれ、殺人と特別公務員暴行陵虐致死の罪に問われた警察官2人が、無罪となった。【坂口雄亮】

毎日新聞 2012年3月16日 18時24分(最終更新 3月16日 23時27分)

 

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