クルーニーさんは自らが監督となって、南コルドファン州の現状を記録した動画も収録した。住んでいた村からの避難を余儀なくされて洞窟で暮らす住民を映し出した場面では、赤ん坊を抱いた若い女性が「航空機やロケット弾を使った攻撃を恐れて家を出た」「バシルが私たちを攻撃している」と証言。クルーニーさんは攻撃の目的について「肌の色を理由とした民族の一掃」にあると解説している。
国連は昨年の報告書で、スーダン軍がヌバ山地およびヌバ民族が住む町や村を定期的に空爆していると伝えていた。
公聴会に出席した米当局者は、特に南スーダンと国境を接する南コルドファン州やブルーナイル州などの地域では人道危機が差し迫っていると指摘。米国際開発庁(USAID)のナンシー・リンドバーグ氏は、これまでに数十万人の避難民が発生し、多くは食料などの物資からも切り離されていると報告。スーダン政府は支援を妨害しており、特に反政府勢力のスーダン人民解放軍(SPLA)が制圧している地域では、「このままの状況が続けば25万人が飢餓寸前の状況に陥る」と危機感を示した。
クルーニーさんは、こうした事態を食い止めるための制裁を盛り込んだ法案を可決するよう促し、スーダンの状況は世界のガソリン価格にも影響を与えていると指摘、「スーダンで起きていることは、経済面で私たちにも大きな関係がある」と訴えている。