事務次官等会議後記者会見の概要 |
平成16年3月25日(木)
14:02〜14:15
於:記者会見室
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(冒頭発言)
今日は、愛・地球博のマスコット「モリゾー」と「キッコロ」の入ったネクタイをしておりますが、ご案内のように、来年3月25日から愛知県で国際博覧会「愛・地球博」が開催されるわけでございますけれども、ちょうど今日が開幕1年前という日でございます。
日頃から皆様方には有形無形いろいろな形で注目いただき、またご協力いただいておりますけれども、ちょうど1年前ということで、途中経過報告を簡単にさせていただければと思います。
現在、120カ国を超える国から参加の表明がございました。過去に日本で開かれました国際博覧会中最多の参加国数になっております。会場はご案内かと思いますけれども、自然の英知ということで、豊かな自然に学びながら自然と人類との共生というものをいろいろな角度からどうやって達成していくかがテーマなわけですが、そういった関係で、1万年前に絶滅いたしましたマンモスは、内蔵などが全部そろっている標本が入手できますので、その絶滅の原因あるいは環境との調和といいますか共生に破れた種類、種族のいろいろな原因が科学的にも分析可能でございますので、そういったあたりも含めて絶滅という問題を取り上げていくということが一つございます。 それから、私は全く知らなかったのですが、「となりのトトロ」の「サツキとメイ」の家を展示するらしいんですが、これはどうも30年代の日本のいまだ自然が豊かで、その中で日本の国民が自然と共生して暮らしていた家らしいんですけれども、そういったものを展示して、自然との共生の道をいろいろ感じてもらいたいというような展示のほか、ITロボット、新エネ等々、これは最先端の技術を駆使して、どうやって共生の道をつくっていくかという大体大まかなコンセプトと展示の構成が固まったことになります。
そういった博覧会に対する関心も徐々に高まってきているように思います。前売り入場券が今570万枚程度既に売れておりますが、この1年前の時期に570万枚というのは相当のレベルに達しているなという感じがいたします。
いずれにしましても、残された1年間、全力を挙げてこの成功に向けて努力してまいりたいと思いますので、引き続き皆様方もご支援いただければと思います。よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
(質疑応答)
【愛・地球博】
Q: 設備とソフトを含めて、あと1年残された課題は何でしょうか。
A: ただいま申し上げました、例えばマンモスのいろいろな標本の分析をし、そして、学術的にもレベルの高い中身にしていく。それ以外の点でも、中身を単なる見せ物ではなくて、説得性ある訴えかけるものをきちっと示せるような中身の充実が最大の問題だと思っています。
もう一つは、これは物理的な話になりますけれども、会場へのアクセスを前から指摘しているんですけれども、対応措置をよほど工夫しないとかなり混乱する危険性もありますし、それから、一度アクセスで懲りますと、リピーターの数がどんどん減るものですから、そこの警備及び交通整理、それからスピードというあたりをきちっと確保していくことが物理的な面では一番課題だろうと思っております。
【大臣の青森出張】
Q: 今週末に、大臣が青森に行かれますが、青森では知事にお会いして、あるいは六ヶ所村でどのようなお話をされてくるのでしょうか。
A: 基本的には、地元の方々の関心、懸念あるいは心配などのご要望を含めて正面から受け止めてもらうことが一つです。
それから二つ目は、やはり現実的にごらんいただいて、やはり安全をベースに対話を重ねて、きちっと進めていくという国としての姿勢を地元の方々にご理解たまわることで、主にこの二つだろうと思っております。
【為替相場等の産業界に与える影響】
Q: また一時105円台に返りまして、また一方で地価の下落が生じたり、株価が上昇したり、また消費関連の数字もよくなっている。そういった状況を踏まえて、改めて昨今の円高、産業界に与える影響をどうごらんになっているかお伺いいたします。
A: 前々から申し上げておりますように、為替の問題を一つの側面からだけ評価できないわけでございます。全体として申し上げれば、為替変動に対する、特に輸出型産業を中心とする対応は、一頃よりはかなり弾力性に富む、状況変化に対応できる体質構造に変わってきていると思います。
従いまして、急激な円高が起きれば、かなり対応も難しくなる、あるいは混乱が生じる危険性がありますけれども、少なくとも基本的な体力はついているということを考えれば、慌てふためく状態ではないだろうと思います。
二つ目は、世界のマーケットで勝負をしているわけでございまして、ドルにリンクした通貨と全く自由なマーケットで相場が形成される通貨のアンバランスというのは、決して望ましいことではないわけでございまして、そういった観点からは、国際、貿易あるいは資本を含めての各国間の諸条件のアンバランスが生じることは決して望ましいことではないと思っております。
三点目ですが、いずれにせよ、長い目で見れば、やはり経済のファンダメンタルズによってきちっとレートが動いていくことが望ましいわけで、今の為替レートが仮にも主に投機的な思惑で動いているとすれば、やはりファンダメンタルズにのっとった趨勢に回帰していくことが必要だろうと思っております。
Q: 第二点目のところは、中国を念頭に置いて言及されたのですか。
A: 一般論として申し上げただけでございます。
【米国の対中国WTO提訴】
Q: アメリカと中国の半導体をめぐる争いなんですが、今週中に米商務省次官クラスが北京入りするということなんですが、日本は第三国として参加するということになるのでしょうか。
A: 私どもは、22日月曜日に北京と東京とジュネーブの3カ所で、中国側にWTO上の懸念を伝え、かつ第三国参加の意向表明を伝えたところでございます。
いずれにしろ、まだ中国側から回答がないわけでございますけれども、中国側の対応を見極めながら、これは多分先の長い話になると思いますので、先行きもいろいろ想定しながら必要な対応を行っていくことになると思います。
これは、意向表明をしただけでございまして、第三国参加通報期限というのは様式行為でございます。きちっとした様式行為は4月2日金曜日が期限でございますので、それまでに最終的な対応を行うということになろうかと思います。基本的には、第三国参加でいこうと思っております。
【個人情報の流出】
Q: 個人情報の漏れがまたいろいろ相次いで、先般もお聞きしたんですが、対応をもうちょっと急がなければいけないような事態だとお感じになりますか。
A: ご案内のように、政府全体でも個人情報の流出問題についてきちっとした対応をしようということで、関係のところが必要な手を打ちつつあるわけでございますけれども、これは本当に、まずは企業自体がきちっとしたマニュアルをつくって、いろいろな事態を想定しながら対応してもらうことがまず先決でございますので、そういったあたりのガイドラインはこの前お話ししたとおりでございますが、その運用あるいは実際の企業の対応も含めて、早急にきちんと確認し、レベルアップを図っていかなければいけないと思っております。
(以 上)
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