東日本大震災で出たがれきを被災地以外で受け入れる広域処理への理解を深めてもらおうと、環境省は、受け入れを検討している自治体の担当者を対象に、がれきの広域処理が行われている宮城県女川町で現地説明会を開きました。
この説明会は環境省が開いたもので、合わせて23の自治体の担当者が参加しました。
女川町で出たがれきは推計で44万トンに上りますが、2日から東京都が受け入れており、合わせて10万トンが東京で処理されることになっています。
現地説明会に参加した自治体の担当者は、はじめに、震災から1年が過ぎても、がれきが山積みとなっている仮置き場を視察し、処理が滞っている現状について町の担当者から説明を受けました。
そのあと、がれきの中間処理施設で、がれきを選別したり細かく砕いたりする作業や、コンテナに積み込む作業を視察したほか、各工程で行われる放射線量の測定で、がれきが安全とされるレベルであることを確認していました。
また、視察のあとには、担当者どうしの意見交換も行われました。
広域処理を巡っては、NHKのまとめで、これまでに少なくとも13の都道府県と51の市町村ががれきの受け入れや受け入れを検討することを表明していて、政府は、被災3県以外の都道府県に16日にも、がれきの受け入れを文書で正式に要請するほか、受け入れを検討している自治体などには、がれきの量や種類なども具体的に明示して協力を要請する方針です。
環境省は、こうした要請とともに今回のような説明会を今後も開いて、広域処理への理解を求めて行きたいとしています。
がれきについて、環境省は、燃やしたあとの灰に含まれる放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下であれば安全に埋め立てられるとする基準を示しています。
この数値以下の濃度の焼却灰であれば、処分場周辺の住民の被ばく線量を一般の人が1年間に受けても差し支えないとされる1ミリシーベルト以下に抑えることができるとしています。
これまでに東京都が宮城県の女川町と岩手県宮古市のがれきを受け入れていますが、都内の焼却施設で燃やした灰に含まれる放射性セシウムの濃度は、女川町のがれきで655ベクレル~1537ベクレル、宮古市のがれきで630ベクレル~740ベクレルと、8000ベクレルを大きく下回ったことが確認されています。
測定された数値は、都内の一般ごみを燃やした焼却灰の濃度と変わらない値だということです。
また、燃やした場合の排ガスについては放射性物質は焼却施設のフィルターで99%以上が除去されることが実証試験で確認されていて、環境省はがれきを被災地以外で処理しても安全性に問題はないとしています。
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