日本原子力発電は13日、東海村の東海第2原子力発電所で、原子炉建屋内にある冷却水を通す配管から放射性物質を含む水約1リットルが漏れたと発表した。水からは1リットル当たり100ベクレルの放射性物質が検出されたが、作業員の被ばくはないという。同原発は定期検査中で、再稼働時に備えた試運転中だった。原電は「6月上旬に原子炉に燃料を装填(そうてん)する」とする工程表に「影響はない」としている。
原電によると、水漏れが発生したのは、原子炉停止後に炉の熱を取り除く残留熱除去系の圧力を感知する配管。原子炉冷却機能が失われた際に非常用冷却水を供給する原子炉下の格納容器底部にあるプールの水を残留熱除去系に流す試運転を行っていたところ、原子炉建屋3階部分の配管(直径約2センチ)溶接部分付近の床に約1メートル四方の水たまりができているのを作業員が発見。原電が調べたところ、溶接部分付近から2カ所の傷(長さ約1・8センチと約0・7センチ)が確認されたという。今後、配管を外して原因を調査する。【杣谷健太】
毎日新聞 2012年3月14日 地方版