東京電力福島第1原発事故直後に菅直人首相(当時)が東電本店を訪れた際の録画映像が存在し、東電が「社内資料」として公開しない方針を示している問題で、枝野幸男経済産業相は16日の閣議後の記者会見で「東京電力が公開すればいい。なぜ公開しないのか、意味不明だ」と述べ、東電に映像を公開するよう求めた。
映像は東京都内の東電本店や福島第1原発などを結ぶテレビ会議システムの録画。昨年3月15日早朝、菅氏が作業員の撤退を巡り東電の清水正孝社長(当時)らを厳しく責する様子が記録されているという。映像の存在は国会の事故調査委員会で明らかになった。
枝野経産相は「(映像を)持っている東電が公開すべきだ」と強調。事務レベルの担当者を通じて映像を入手して公開する考えがあるか問われると「私がこうやって事実上、要請している」と述べ、東電に映像の公開を直接指示した。【和田憲二】
毎日新聞 2012年3月16日 18時31分