「風俗街の帝王」贈賄事件で検察が捜査着手

警察による監察の最中に

検察関係者が賄賂を受け取ったとのうわさも

 巨額脱税事件で有罪判決を受け服役中の「江南風俗街の帝王」ことL受刑者(40)が、数十人の警察官に賄賂を渡したとされる疑惑について、警察が自主的な監察を行っている中、検察が捜査に着手したことが、15日までに分かった。

 ソウル中央地検強力(凶悪犯罪担当)部(金会宗〈キム・フェジョン〉部長)はこの日、L受刑者が作成したとされる、賄賂を渡した警察官のリストについて捜査を行う、と発表した。

 警察は「検察が警察に対し宣戦布告したものだ」と受け止めており、検察と警察の対立がさらに深刻化するとみられる。

 L受刑者はソウル・江南地区で13カ所の風俗店を経営し、5年間で3600億ウォン(現在のレートで約267億円、以下同じ)程度の売り上げを記録したとされる。L受刑者は最近、自分が賄賂を渡したという警察官(OBを含む)25-30人のリストを作成し、内縁の妻(35)に渡したという。内縁の妻らは該当する警察官たちに対し「金を返さなければリストを公開する」と脅迫したとのことだ。L受刑者は警衛(日本の警部に相当)から総警(警視長に相当)まで警察幹部25-30人に対し、1人当たり3000万-1億ウォン(約220万-740万円)の賄賂を渡し、その総額は30億ウォン(約2億2300万円)に達するとされる。

 警察は最近、自主的な監査に着手し、今月8日にはソウル拘置所に収監されているL受刑者と面会したが、L受刑者は「警察には言わない。検察に情報を提供する」として、供述を拒んだという。

 また、警察による監察で、一部の警察官がL受刑者と面会していた事実も確認された。

 一方、警察は15日、これまでの監察の結果をソウル地方警察庁捜査2係に提出し、捜査を行うよう要請した、と発表した。

 警察の関係者は「捜査にはルールというものがあるが、今回のようなケースでは、われわれに捜査を任せるよう(検察に対し)要請するのが筋ではないか。検察が警察を締め付けようとする意図が感じられる」と語った。

 一部の警察関係者の間では「検察の関係者たちもL受刑者から賄賂を受け取ったため、臭いものにふたをしようとしているのではないか」という声も出ている。警察のある関係者は「L受刑者のリストには、警察官だけでなく検察職員や消防官の名前が載っている可能性がある。むしろ、検察側で関与した人の方が多いため、検察が躍起になっているのではないか」と主張した。

全洙竜(チョン・スヨン)記者
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