第二部 二年戦争/プラント独立戦争 (C.E.70年-C.E.72年)
61 加速する時、変化する潮 6
オペレーション・スピリットブレイクが開始された裏で、パナマ基地への強襲降下作戦であるオペレーション・ブリッツブレイクもまた、一時間遅れで開始された。
この時間差をつけたブリッツブレイクの発動は、連合軍がアラスカ基地が現在置かれている状況、……ザフトによる連合軍総司令部への強襲降下に気を取られるのを待つための措置だ。というのも、パナマに降下する戦力が少ない以上は、降下中の被害を少しでも減らすために、小細工でもなんでも使わなければならなかったからだ。
もっとも、パナマ基地に対する事前の軌道爆撃によって、対空迎撃能力が大きく削り取られていたために、当初予想されていたよりも遥かに少ない被害で、強襲部隊は降下できた。
更に加えれば、北米大陸で右往左往していた陸上部隊の大部分が北を、アラスカを目指していることが判明しているため、この降下に対応して、援軍が派遣されるにしても少しは遅くなるはずだ。
今現在、通信リンクから得られた情報では、ディンを中心とする降下部隊のMSがマスドライバー周囲の対空陣地や防塁を順次破壊、制圧しており、直にグングニールの降下ポイントを確保できそうだった。
また、これに合わせるように、カーペンタリアの海洋部隊もパナマ近海に接近しており、降下したMS部隊の退路を確保している。
一方のアラスカだが、こちらも事前の軌道爆撃によって、対空迎撃ベースが多数破壊され、また、制空戦闘機部隊が出撃口や滑走路を封じられた影響で迎撃に上がってくる数も大幅に少なかったために、降下部隊の大部分が無事にアラスカの大地を踏むことに成功した。
現在は、MS部隊と地の利を持つ基地防衛隊とが、アラスカ基地の主要施設が存在している地下への侵入路を巡って、一進一退の攻防を繰り広げているらしい。それに、降下支援を行っていたジブラルタルの海洋部隊からもグーンが出撃しており、降下部隊のディンとの共同作戦で、連合の海上防衛艦隊の撃滅が図られている。
……うん、両作戦とも、本当に、上手くいってる。
「……でも、幾らなんでも、上手く行き過ぎなんだよなぁ」
「その心は?」
「俺達の相手である地球連合軍は、プラントやザフトの上層部が喧伝している程、無能ではないからですよ、ゴートン艦長」
ユニウス・セブンへの核攻撃や月戦線におけるエンデュミオン・クレーターのサイクロプスでの自爆、世界樹攻防戦や新星攻防戦、ヤキン・ドゥーエ防衛戦でも既存の兵器だけでもって散々に梃子摺らせてくれたし、最近になってからも、MAに対MS兵装を装備させ始めている。
「……では、連合軍が何かやると?」
「ええ、おそらくは……」
どれだけ防諜に務めても、こちらの作戦情報が漏れている可能性だってあるはずだし、作戦開始から一週間近くもあれば、それなりの対策を立てることだってできるはずだから、連合軍が何らかの反応を起こすと考えていた方が無難だろう。
と、そんな事を考えていたら、通信リンクから入ってくる情報を通信管制官と共に読み取っていたアーサーが、急にこちらを振り仰ぐと、多分に焦りを含んだ声で状況の新たな変化を告げた。
「艦長! 大変ですっ! ジブラルタル基地が、連合軍の攻撃を受けていますっ!」
……やられた。
まさか、ジブラルタルを攻めるとは……、思ってもなかったよ。
思わず沈黙してしまった俺を尻目に、艦長がアーサーに詳しい状況を問いかけている。
「……トライン班長、詳しい情報は?」
「まだ詳しい情報は届いておりませんが、現在、ジブラルタル基地は敵航空戦力による激しい空爆を受けているとのことです! また、ピレネー防衛ラインにも、リニアガンタンクを中心とした一個軍規模の敵陸上部隊の侵攻を確認されています! 加えて、地中海方面、イタリア半島からも艦隊規模の敵海上部隊が出撃し、ジブラルタルを目指している模様です!」
「うん、わかった。続報が届いたら、また報告してちょうだいな」
「アイ、サー!」
おそらく、連合軍がジブラルタル基地やヨーロッパ方面の北限であるピレネー防衛ラインに攻撃を仕掛けてきたのは、この強襲降下作戦でアフリカやジブラルタルの防衛戦力や付近の駐留戦力が減っていることを見越してのことだろう。
降下部隊や軌道爆撃艦隊、それを援護する護衛艦隊が宇宙から地上を観測すると言っても、ほぼ全てがアラスカとパナマに振り向けられている以上、部隊行動の欺瞞も容易かったはずだしな。
そもそも、ジブラルタルが、地中海と大西洋、ヨーロッパとアフリカを結ぶ要衝であり、地球連合を構成する三大国の一つであるユーラシア連邦にとっては目と鼻の先にある以上、奪回を狙われる事も予想できたはずだ。
……。
結局は俺も、連合軍を甘く見ているつもりはなくても、甘く見ていたということか。
……。
それにしても、この連合軍によるジブラルタルへの反攻計画だが、これが立案されたのは事前に情報が漏れていたのが原因じゃないだろうか?
あくまでも何の確証もない俺の想像に過ぎないのだが、正直、そう考えないとおかしいと思う位に、大部隊が一斉に動くタイミングが合いすぎている。
それとも一週間もあれば、連合軍は作戦計画を立てて、必要な部隊を集結させて、必要な物資を揃えて、大部隊を連携させて動かす位はやってのけるのだろうか?
……うーん、どちらもありえそうだなぁ。
内面に次々に生まれてくる疑問を溜め込みつつ、外面では出来る限り平静を保つ努力をしていたら、艦長が周囲に聞こえない程度の声で問いかけてきた。
「ラインブルク君、この侵攻は退けられると思うかい?」
「……かなり厳しい戦闘を強いられるでしょうが、現状の戦力でも、全力での迎撃ならば、一度目は何とか退けられるでしょう。ですが、敵に二の矢があった場合、ピレネー防衛ラインは間違いなく破られて、ジブラルタル基地は拙い状況に陥ると思います。付け加えれば、連合軍が本格的にMSを運用するようならば、一度目の防衛も怪しい。……正直に言えば、このままでは、ジブラルタル基地の防衛は難しいでしょうね」
現実には、ジブラルタルの周囲……イベリア半島や北アフリカにも治安維持用のMS部隊が幾つか存在しているが、戦力としては微々たる物であり、占領地の重石である以上は下手に動かせない。
また、ジブラルタル基地の支援を行えるような余裕を持つ基地はアフリカのビクトリア基地位しか存在しないが、ここにはマスドライバーがあるため、防衛戦力は絶対に削れない。
……アフリカで活躍していたバルトフェルド隊が足つきにやられた影響は、意外と大きいものだったな。
こうなれば、せめて、アラスカ強襲降下の支援のために北極海に出張ったジブラルタル所属の海洋部隊を戻さないことには、ジブラルタル防衛はままならないだろう。
俺の予想を聞いた艦長は、一つ頷き、アーサーに声をかけた。
「トライン班長、カーペンタリアに、敵の攻撃があったとは聞いてないかい?」
「現在のところ、そのような情報は入っていません」
カーペンタリア基地は、後背に大洋州連合という友好国があるから、何とかなるだろう。
仮に地球連合の三大国が動こうとしても、東アジア共和国は地理的には最も近いが、カオシュン攻防戦で遠征用の海上戦力が壊滅的な大打撃を受けているから侵攻する余裕はないはずだし、大西洋連邦はハワイの太平洋艦隊を攻撃を受けているアラスカとパナマに援軍として派遣しているし、ユーラシア連邦の海上部隊というか太平洋艦隊はアラスカ防衛にかかりきりだ。
そして、パナマ運河の破壊に成功している以上は、大西洋連邦やユーラシア連邦の大西洋艦隊が廻航して来るのにも時間がかかるから、周辺地域から援軍を呼んで備える事も可能だ。
って、逆を言えば、ジブラルタルへの圧力が強まるってことだろう!
……。
うむむ、宇宙軍が地上軍への支援をするなら、何ができるだろう?
軌道上からの観測情報の提供は今やり始めているだろうから……、軌道爆撃による支援か?
……。
うん、少なくとも攻め寄せてくる陸上部隊への軌道爆撃は、ピレネー防衛ラインへの大きな支援になるはずだ。
後は地中海の海洋部隊だが、海兵隊みたいな上陸部隊がいたら面倒な話になるけれど……、そこはジブラルタルの連中に頑張ってもらうしかないな。
軌道上にいる宇宙軍による地上軍への支援はそれぐらいだろう。
「艦長、軌道爆撃艦隊に動きはありますか?」
「アラスカを担当している軌道爆撃艦隊が一部、地中海からイベリア半島北部の軌道上に移動を始めているよ」
「……なら、何とかなりそうですね」
「そうだといいねぇ」
頷いた艦長が、L4方面への警戒を強めるようにアーサーとCICに指示を出すのを見ながら、ふと、気がついた。
よくよく考えたら、そもそも、本来の俺の仕事がL4の艦隊を警戒することである以上、所属違いなのに意見具申なんて具合に出しゃばることもできないから、実際にはどうのしようもないことだった。
自身の思い上がりを恥ずかしく感じて、悶絶しそうになる身体を、邪気眼を抑えるかの如く、全身の筋肉をフル稼働させて必死に耐えていたら、俄かにアーサーが不審な声をあげたので、それに便乗して忘却処理することにした。
「どうかしたのか、アーサー」
「あ、隊長。いえ、それが……、プラント方面から情報にないMSが一機飛来して、こちらの通信に応える事も無く、アラスカを目指して大気圏に単機で突入したらいんです。それで、この変なMSに関して、何か聞いていることはないかと、軌道爆撃艦隊司令部から各方面に問い合わせが来ているんですよ」
「いやいや、基本的に情報が集る司令部の知らないことは、普通、現場の人間も知らないと思うんだが?」
「……ですよねぇ」
アーサーが相槌を打ったので、俺も解決策を一つ提示してみる。
「どうせわからないなら、手っ取り早くプラントに問い合わせた方がいいんじゃないか?」
「ええ、僕もそう思いまして、司令部にもそう伝えたんですが、プラントでも、そのMSが何なのか把握していないそうなんですよ」
「へっ、何それ? ……まさか、MSの亡霊が大気圏に突入でもしたって言うのか?」
んな馬鹿なこと、あるわけないだろうなぁ。
「さ、さすがに、それはないでしょう」
「だよなぁ。……ま、皆が皆、わからないことなんだからさ、あんまり、気にし過ぎない方がいいと思うぞ」
「いいんですか、それで?」
「俺達にできることは限られているし、司令部の連中がしっかりと把握に努めてくれるさ。とにかく俺達は、そんな情報があったことを、不確定要素の一つとして、頭の片隅に放り込んでおけばいいだろうよ。……じゃないと、胃が持たない」
いや、ほんとに。
「隊長、胃薬、手放しませんからね」
「……いつか、アーサーにもわかる時が来るさ」
「……それは、嫌だなぁ」
俺も知りたくなかったよ。
そんなことを思いながら、ついでに各戦域情報を眺める。
宇宙の各方面はそれぞれ動きなしで、地上は……、アラスカ侵攻部隊は地下基地への侵入路を押さえたようだし、パナマはグングニールの降下ポイントを確保が完了して、後はグングニールの投下するだけといった所だな。
で、ジブラルタルはと思って、情報を読み取ろうとしたら、口元を緩めながらも黙って俺達のやり取りを聞いていたゴートン艦長が口を挟んできた。
「トライン班長、ジブラルタルの様子はどうだい?」
「あ、はい、敵陸上部隊がピレネー防衛ラインへの攻撃を開始しました。これに対応する形で軌道爆撃艦隊の分派隊が、少々時間は掛かりますが、ピレネー防衛ラインへの支援のために軌道爆撃を実施するとのことです。また、海洋部隊は西地中海の、……えーと、バレアレス諸島方面を目指していることが確認されています」
「ジブラルタルを空爆した航空部隊は?」
「迎撃のためにディンが上がった頃には、逃げられたそうです」
「イベリア半島と北アフリカはこちらが押さえていたから、やっぱり、アゾレス諸島辺りを経由してきたのかねぇ。……それで、基地の被害は?」
「基地全体に被害が及んでおり、機能は半分にまで低下しています」
なるほど、と頷いたゴートン艦長は帽子を弄りながら、俺達に向かって話しかけてきた。
「海洋部隊の動きと基地への爆撃、……これはジブラルタル基地から、ピレネー防衛ラインへの援軍を出させないための牽制だと思うんだけど、どう思う?」
「……ありえますね」
「確かに、ジブラルタル基地は予備戦力を動かせない状況になっていますから、ピレネー防衛ラインに攻撃を仕掛ける部隊へのこれ以上ない支援になっていると、僕も思います」
とはいえ、必ずしも地上での戦闘は、地上軍だけでするわけじゃない。宇宙軍だって、軌道上からの支援爆撃ができるのだ。
「まぁ、軌道爆撃での支援がありますから、何とかなりますよ、今回は」
「だねぇ」
「え、ええっ!」
「え、ど、どうかしたのか、アーサー?」
「……あ、その、アラスカに降下した部隊から、宇宙から降下してきたMSが一機、敵味方関係なく暴れていると情報が入ってきまして……」
め、迷惑なMSだな、おい……。
「更に、えーと、アラスカ基地内部に侵入したクルーゼ隊長からの連絡で、アラスカ基地内部に……、えっ? ……さ、サイクロプスが……仕掛け、られており、起爆まで、……五分も、ない?」
なっ!
「く、クルーゼ隊長は、アラスカ地下基地中央部にサイクロプス関連の施設が存在しているため、起爆までの時間内では破壊が不可能と判断しており、司令部に即時撤退を進言したそうです」
「…………まずいね、降下部隊の大部分はゲートに張り付いちゃってるよ。……トライン班長、降下部隊司令部はどうするって言ってる?」
「は、はい、降下部隊に対して、潜水艦隊への即時撤退を指示したみたいです。ですが、撤退の際に、敵防衛隊の逆撃にあっており、上手くいっていないようです」
おいおいおいおい。
「連合の連中は正気なのか? 基地のゲートを守ってるってことは自分達も巻き込まれるのは間違いな……まさか、敵の司令部は防衛部隊に、何も教えてないのか?」
「……かもしれないねぇ」
「……す、捨て駒、ですか?」
こちらの一大侵攻部隊を叩けるなら、防戦している基地防衛隊や基地施設ぐらいは惜しくないってわけか。
まぁ、確かに、効率的に兵を死なせるのがお仕事の司令部にとっては悪くない判断だろうさ。
……何も知らされていない、今、必死で戦っている末端にとっちゃ、溜まったもんじゃないがな。
「はぁ、……確かに有効な策戦だろうけどさぁ」
「ええ、艦長、まったくもって、反吐が出る程の外道故に、効率的で、効果的な策ですよ」
「信じられない。味方を巻き込んでまで……こんな……」
アーサーの呟きに、俺も同意したい。
「……あ、グングニールが投下されました」
パナマはもう、作戦終盤だけど、順調だし、放っておこう。
……。
しかし、アラスカに設置されていたサイクロプスだが、こればかりは流石に一週間では用意できないはずだし、あまりにも準備が良すぎると言えるだろう。
そう考えると、やはり情報が……、こちらの情報が、それもかなり高い位置から、事前に漏れていたんだろう。
……。
いや、物事に完璧は存在しないということは、今まで生きてきて、十分にわかっている。わかっているのだが、今回は……、運不運で済ますには、受ける被害があまりにも大き過ぎる。何より、プラントが確実に拙い状況に追い込まれることを考えると、真面目な話、情報漏洩者を吊るし上げてやりたい。
今後の状況に思いを馳せて眉間に皺を寄せていたら、顔を青くさせたアーサーが艦長と俺の所へと報告に来たので、俺は思考を中断させて耳を傾ける。
「……報告します。パナマに降下させたグングニールは正常に起動し、マスドライバーの破壊に成功したそうです」
「うん、良かったよ。……で、トライン班長、パナマの降下部隊はちゃんと撤退してるかい?」
「いえ、一部部隊が撤退命令を無視して、周辺施設や降伏を希望する敵への攻撃を続けているようです」
……所詮、俺達ザフトは、民兵に過ぎないということか。
「はぁ、……始末は自分達の命でつけるだろうさ。それよりも、アーサー、アラスカはどうなってる?」
「それが、……いまだに敵の反攻が激しく、過半を超える部隊の撤退が上手くいっていません」
「トライン君、司令部は、敵にサイクロプスの情報を流してるのかい?」
「……その情報も、敵防衛隊は一種の欺瞞情報と判断しているようです」
……これはもう、どうしようもないということか。
「どうやら、詰んじゃったみたいだね」
「……ええ」
俺とゴートン艦長の間を、これから起きる惨事で犠牲になる哀れな者達を迎えに来た、天使の一群が通り過ぎて行く。
そんな沈黙を破ったのは、律儀にもサブモニターに映るアラスカを観察していたアーサーの言葉だった。
「あ、サイクロプスが、……起爆した、ようです」
アーサーが見ていた映像……、軌道上からの観測映像でも、アラスカで大規模な爆発が起きている事が確認できた。艦橋に詰めている管制官達も、呆然とした表情で、凍りついたように、その光景を見つめている。
「トライン班長、ジブラルタルに関する情報の仕入れと、L4への警戒態勢を強めるように」
「……あ、はい、了解です」
ゴートン艦長の指示で我に返ったアーサーが所定位置に戻り、管制官達に指示を出し始めたことで艦橋内の空気が再び動き出した。
「……かなりの損害、だろうねぇ」
「……でしょうね」
今の所、アラスカ侵攻部隊の損害はわからないが、その戦力にかなりの打撃を受けたのは間違いないことだ。
そして、ザフト地上軍の戦力が大幅に減ったということは、連合がMSを作った事実を加味して考えると、地球からザフトが叩き出されるというのも時間の問題ということだろう。
……つまり、今日、つい先程、この戦争の潮の流れが変わったのだ。
だから、これからは地球連合と、何とか講和に持ち込む為に、如何にして、この戦争を痛み分けに持ち込むかを考えていかないといけない。
「いやはや、戦の女神は更なる流血を望み、相争う人の悲喜劇は続く、かねぇ」
「正直、これで戦争が終わってくれれば、良かったんですけど」
「……現実は、往々にして、非情だよ」
「確かに……」
艦長の言葉に頷き返した後、サブモニターに表示され続けている、軌道上から映したアラスカを見る。
連合軍の基地があったと考えられる辺りが、事前の軌道爆撃の影響もあるだろうが、大きく吹き飛んで、抉り取られている。
まったく、自然保護団体辺りが見たら、怒りの余り、卒倒しそうな光景だな。
……。
そういえば、ラウの奴、アラスカで基地内部に侵入なんて無茶をしていたみたいだけど、無事に逃げる事ができているといいが……、っていうか、よくよく考えたら、何故に、アラスカに、ラウがいるんだろう?
まさか、足つきに逃げ切られてしまったんだろうか?
……まぁ、そのことは、今度会った時にでも聞くことにしよう。
そんなことを考えながら、俺は、何らかの情報や命令が来るまでの間、大地に深く大きな傷跡を残したアラスカの大地を見つめ続けた。
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