東日本大震災で発生したがれきの処理を巡り、北九州市の北橋健治市長は14日の定例記者会見で「安全に処理できるのか、その1点について一部(市民)に根強い不安がある。他都市の情報収集などをした後、次のステップを考える」と述べ、受け入れの可否について明言を避けた。市議会は12日、市に受け入れを求める決議案を全会一致で可決している。
北橋市長はまた、野田佳彦首相が岩手、宮城両県で出たがれきを被災3県を除く全都道府県に受け入れるよう文書で要請すると表明したことについて「なかなか進まなかったのはそれなりの事情がある。国には安全基準の明快な説明が求められている」と批判した。
さらに、国が設定した「1キロ当たり8000ベクレル以下」とする焼却灰の埋め立て基準については「国民が納得できるだろうか。行政として重要な課題だと思っている」と述べ、受け入れを決める場合には市独自の基準について検討する意向を示した。【仙石恭】
〔北九州版〕
毎日新聞 2012年3月15日 地方版