保寧火力発電所火災、停電の心配はなし

 古里原子力発電所(釜山市機張郡)1号機の外部電源喪失事故に続き、韓国最大規模の火力発電所、保寧火力発電所(忠清南道保寧市)も火災で稼働を止め、国内の電力需給管理の危うさが露呈している。電力需要が少ない時期だったことに加え、予備電力にも余裕があったため、大停電を心配する状況ではないが、原発と火力発電所の重要な電力系統で相次ぎ事故が起こり、国民の不安は高まっている。

 韓国中部発電によると、保寧火力発電所1号機(出力50万キロワット)で15日夜に発生した火災は、発電所の消防設備で約20分後に消し止められた。

 同発電所は事故を受け、1号機の稼働を中断して事態の収拾に乗り出した。中部発電のクァク・ピョンスル所長は「発電機内部の問題ではなかったが、主要設備を保護するために稼働を止めた。火災が広がることを懸念して消防署に通報したが、その前(消防士の到着前)に消火できた」と語った。

 発電所側は火災原因について、発電所内部の電線1本が焼けたためと説明、電線を交換すれば16日早朝には稼働を再開できるとした。保寧消防署の関係者は「詳しい経緯はさらに確認が必要だが、地下の電線ケーブルの漏電またはショートによるものだろう」と話している。

 保寧火力発電所は出力50万キロワットの火力発電所8基と出力135万キロワットの複合火力発電所で構成され、国内最大となる535万キロワットの電力を生産している。3月に入って気温が上昇し、最近の電力予備率は15%以上となっているため、当面の電力供給には問題ない、と電力当局は説明している。中部発電の関係者は「火災発生時の電力予備率は22%ほどを維持していた。大停電のような非常事態は発生しないだろう」と話している。

 国内の昼間の電力需要は6800万キロワットほど。国内全体の設備容量7900万キロワットから整備・点検でロスする600万キロワットを除いても、500万キロワットほど余裕がある。出力58万キロワットの古里原発1号機と50万キロワットの保寧火力発電所1号機が稼働を止めても、電力不足にはならない。15日の電力需要最大値は6026万キロワットだった。

チョ・ジェヒ記者
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