政府が成長戦略などの財源として活用を検討する「休眠口座」について、金融庁が全金融機関に対し、口座数や残高などの実態調査をすることが15日、分かった。休眠口座の全容は年間に発生する口座数や金額の規模以外はあまりわかっておらず、現状を把握する必要があると判断した。
休眠口座に絞った大規模な全国調査は初めて。同庁は近く全国銀行協会などを通じ、各金融機関に休眠口座の▽口座数▽残高▽維持管理や払い戻しの事務経費--などを調べ、報告するよう求める。
休眠口座は、年間1300万件、約850億円程度発生する一方で、払い戻しも年間約75万件、約350億円程度あるとされる。払い戻しの手続きには大手行でも2時間程度かかっており、仮に時給1000円で年間75万口座の払い戻しに応じると、事務経費は人件費だけで15億円に上る計算だ。しかし、いずれも詳細は不明だ。
政府は活用にあたっては全休眠口座を管理機関に移管する一方で、引き続き払い戻しにも応じる方向で検討している。金融庁は必要な管理システムや事務コストを把握することで、どこまで活用できるかを慎重に見極める考えだ。【田所柳子】
毎日新聞 2012年3月16日 2時30分