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2012年3月15日(木) 19:50 |
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ノリスカートの実験結果まとまる
養殖ノリの色落ちの問題です。 香川大学は、小豆島沖でノリの色落ちを防ぐため栄養分を補う実験を行ってきましたが、今年度の実験の結果がまとまりました。
見た目にも明らかに違いがわかる結果です。 香川大学瀬戸内圏研究センターの多田邦尚教授です。 多田教授は地元の漁協などとともに、去年12月から先月まで小豆島沖でノリスカートを使った実験を行ってきました。 実験は、養殖ノリの生育に必要な栄養分を補おうというものです。 ノリ網の周りをノリスカートと呼ばれる目の細かいネットで囲います。 その中にノリの色落ちを防ぐ肥料を入れます。 肥料はノリスカートの中にとどまり、ノリに吸収されやすくなる仕組みです。 ノリスカートのノリは、去年12月から先月まで収穫されました。 効果を比べるため、通常のノリも収穫しました。 分析は、高松市の香川県水産試験場で行われ、あわせて60のサンプルを調べました。 色を数値であらわした分析では、ノリスカートのノリは平均80、通常のノリは平均87でした。 数字は0から100までで、0に近づくほど黒色を示していて、ノリスカートのほうが色がより黒いという結果です。 これはノリの細胞ですが、左のノリスカートのノリのほうが右の通常のノリより細胞が活性化していることもわかりました。 2種類のノリを製品にして比べると、見た目にもノリスカートのノリの方が、通常より色が濃いことがよくわかります。 ノリスカートの効果が確認されたといえます。 多田教授らは肥料をまく時期などを検討し、来年度も実験を続けることにしています。 香川県のノリは、ここ10数年色落ちによる品質低下が大きな問題になっているだけに、色落ち対策としてノリスカートの成果に注目が集まっています。
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