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本日はここまでになります。

2/11(土)
改行の整理をしました。
表現の修正をしました。
第1章 修行とお仕事はじめました
第11話 メルディアナの日々


 という訳で絶賛シスターさんのお手伝い中です!
 あれから結局、『天使だと思われる』という認識をされました。
 だって本物の天使なんて見たことが無いから分からない。なんて結論でしたよ……。
 でも本当に天使なんじゃないかって認められたのは、光の精霊を集めた事じゃなくって生活の中での出来事でした。

「天使ちゃ~ん♪食事にしない?」
「あ、私ご飯食べる必要ないんですよ」

 って、何気なく言ったら変な目で見られた。

「やせ我慢してたりするのかしら?それとも私達と同じ食事は口に合わないとか?」
「ち、違いますよ!本当に食べる必要が無いんです!」

 怪訝な顔をされてしまったけれど、1週間くらい飲まず食わずでお手伝いしていたら、これは本物なんじゃないか?って、周りから見られるようになりました。
 上層部の人は監視を付けていたらしくて、その辺りからも情報が流れているようです。

 一緒にご飯食べられないのが寂しいから、せめて食堂には来ない?
 って言われて付いていったら、本場の紅茶を発見!
 ここぞとばかりに飲んでいたら、食べられるんじゃない!って怒られてしまった……。

 それからシスターメアリーとは何度かお茶会をするようになりました。
 メアリーはエイトさんです。あれから洗礼を受けて本当にシスターになっちゃいました。
 というのは表向きで、魔法世界からのお目付け役兼教育係だそうです。
 任務上いろいろな経験があるため、貴族的で優雅な振る舞いを覚えなさい!との事です。

「ほらそこはもっと作り笑いをして!手はもっと華やかに!」
「抽象的で分かりません!」

 そんなやり取りをしながらも何とか礼儀とか作法とかを練習して、紅茶の飲み方も注意されつつ、シスターのお手伝いの日々を送っています。
 そうそう、メルディアナの偉い人たちとの協力体制は、こんな感じになりました。


1、メルディアナ魔法学校と対等な関係であり、メガロメセンブリアへの協力は依頼という形で行う。

2、メルディアナはシルヴィア氏の身柄の保護と悪意のある噂の対処を行う。
 代わりに『天使』として仕事を行い、教会の布教の協力。
 また戦時においては祝福の儀式をとり行う。

3、魔法組織からの有事の際には、魔法使いとしての協力を教会より優先して行う。
 メルディアナはその存在を秘匿する義務がある。

4、イングランド王国と敵対しない。
 ただし、イングランド側からの一方的な攻撃が行われた場合はその限りではない。

5、これらの契約は、同氏の使命が遂行される1300年まで有効とする。
 謝礼として魔法世界≪ムンドゥス・マギクス≫へ送り届け、以後の行動は詮索しない。


 こんな感じになりました。
 デルタ隊長さんからは、随分と譲歩された内容だと驚かれました。
 実質、協力体制をとっていれば拘束力は無いし、ボランティアが多いくらいなのかな?
 色々と勉強する機会もあるみたいだし、何より魔法学校!
 知らない魔法や、薬草の勉強をしたいって言ったら、先にお嬢様になりなさいと怒られました……。だからってポエムとかも勉強する必要はありますか?厳しいよメアリーさん。






 ――それから数ヵ月後。

 私の偽お嬢様も板についてきたという事で、イングランド王国の国王様。
 ヘンリー1世と貴族達に、教会の天使として挨拶に出る事になりました。

 女神様から貰ったドレスの質がいいという事で、そちらをメインに教会関係者という事で過美にならない程度に十字架のペンダントと装飾品。
 長い髪は結い上げて翼を見せるための演出を行うという事です。

「陛下、本日の謁見は教会の大司教殿と、例の天使殿になります」
「天使か。教会の狗はどんな見世物を手に入れたのやら、良い!通せ!」
「ハッ!」

ギィィィィ――!

 重たい音を立てて、謁見の間の扉が開かれる。
 大司教さんを先頭に数名のシスターと私は国王陛下の前に姿を現した。

「……なんだ小娘ではないか」
「ほう、これは中々」

 隠す気も無い品定めの視線と声が聞こえる。
 うぅぅ。見世物になるのは分かっていたけれど、結構ツライなぁ~。
 いけないいけない、顔を引き締めないと!

「良い。大司教、顔を上げよ。発言を許す」
「ご尊顔を拝しましては、光栄にございます。本日は――」

 帰りたくなってきたよ。
 今は大司教さんが挨拶をしてるけれど、次は私の番になる。
 ……本当に帰りたくなってきた。

「そなたが噂の天使殿とやらか?」

 来た――!

「良い。面を上げよ、発言を許す」

 それを聞いて顔を上げる。それから膝を折って身を屈め、淑女の挨拶をとる。
 周りの貴族は礼を取った事に安心した様子を見せるがその隙に周囲に光の精霊を呼び込み、翼を広げて臣下では無い言葉を紡いだ。

「お初にお目にかかります国王陛下。わたくしは天使シルヴィア・アルケー・アニミレス。神より使命を受け教会に舞い降りました」

 あぁ、貴族さんが明らかに怒ってる。
 でもすぐ隣の人は情けないくらいに腰を抜かしてるなぁ~。
 やっちゃったって顔をしてる貴族の人も居る。
 あ、衛兵さんが警戒して王様の横についた。それはそうだよね~。

「ふっ!はははは!どんな教会の狗が来るかと思ったが!ここまで本物らしいものを連れてきたか!ふははは!」
「へ、陛下!笑い事では!」
「良い!ここまで出来るならばかえって説得力がある!旗印にもよかろう!」

 なんかウケてる?
 笑わせるつもりはなかったんだけれど、王様の考えって分からないなぁ~。

「シルヴィアと申したか御使い殿。それで我らに裁きでも与えに来たかな?」
「わたくしの使命は世界を育む事。そして悩める魂を救う事です。イングランド王国の方からの一方的な暴挙が無い限り、敵対する事はありえませんわ」
「ほう……」

 そろそろいっぱいいっぱいです。
 元一般人に王様の相手はツライですよ!

「あいわかった!ヘンリー1世の名に誓って、御使い殿の救済の命を違えないと誓おう!ならば御使い殿は我が国のためにお力を裂くのであろう?」
「ええ、契約に従い1300年までの間、この地に留まり力を添える事を誓いますわ」

 とりあえず付け焼き刃は終了。
 大司教さんが始終にこにこしていたし、後ろに付いてきたメアリーはにやにやしてるし。
 早く帰りたいです!






 ――それからは色々ありました。

 偽お嬢様教育が終わったので、メルディアナの資料で上級魔法や結界魔法。認識阻害とか隠匿に気配遮断。魔力の気配が大きすぎるから力を使うと居場所が分かるっていうので、魔力をもっと制御したり、隠れたりする勉強をしました。
 もちろんこの世界の薬草の勉強もしたけれど、魔法世界のほうが研究はもっと進んでいると言われました。

 それからまた何年かすると戦争が起きて、騎士団長への光の精霊の祝福。
 結果的に勝利したけれど、私の力が戦争を勝利に導いた力の1つだって事が中々に重いです。
 私自身も実は暗殺されそうになりました。簡単には死なないけれど、実際に襲われるのは怖いです。魔女狩りの時以来、久しぶりに攻撃魔法を使う事になりました。
 他の魔法組織からの攻撃だったので、結果的にメガロメセンブリアの魔法部隊が報復。その組織は壊滅したそうです。

 1300年までの間160年以上イングランドに留まりました。
 デルタ隊長さんもメアリーも亡くなりました。
 2人とも最後まで色んな事を教えてくれて、組織の人と付き合うにはこういう所に気をつけろだとか、遠距離魔法は問題ないけれど懐に入られた時の対処とか。生物的な肉体が無いから鍛える事は出来ないので、いまいち身に付かなかったけれど、二人の事を忘れずに練習していきたいと思いました。

 そして最後の契約の年が終わり、魔法世界のメガロメセンブリアへ。
 魔法隊で良くしてくれる人を頼りながら、立場上貴族街の修道女寮に移住しました。


11話終了です。

第2章はここで終わりになります。
章タイトルを、「修行とお仕事見つけました」から変更しました。
良く考えたら見つけるも何もすでに仕事は決まっていた事に気づきました(汗)

作中で紅茶が出てきますが、年代的にはまだイギリスには無いようです。
しかしイギリスといえばやっぱり紅茶のイメージがあるので、あえて引用しました。

イングランド王室で魔法を使って見せるのは、王室があくまで一般人だからです。
『ネギま!』的に王室の暗部や教会の裏関係者ならば知ってる人も居るであろうと思われますが、一般人ならば光の魔法と天使の翼があれば信じるのではないでしょうか?

という訳で、またストックを溜めてから新章開始になります。


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