2/11(土)
改行の整理をしました。
表現の修正をしました。
第1章 修行とお仕事はじめました
第8話 亜人の様に見える何か
「『精霊系亜人種の様に見える何か』だと?」
「はい。しかも観測された魔力のパターンは一致。この女性が原因であるかと」
原因?知らないうちに迷惑かけたいたのかな?
もしかして襲ってきた団体って、何か迷惑をかけた原因を解決しに来てたのかな?
「なるほど。つまりお嬢さんが数十年前から魔法の修行をここで行っている……と。確認だが間違いないだろうか?」
「えっ?ハイ。してました」
あぁ、どうしよう。知らないうちに迷惑をかけて居ただなんて。
初級魔法が出来るようになった時にもっと森の外もちゃんと見ておくんだった。
どうしよう……。
「順番に確認をしたい。どうか我々の話を聞いてもらえるだろうか?」
「はい……」
そう言うしかないよね。
迷惑かけていたならちゃんと謝って、それからどうしよう。
「まず、ここで魔法の修行をしていた理由は何だろうか?必要ならば、学院や教会など連絡を取る手段はあるはずだ。『魔法発動体』が要らないと書いてあるという発言も気になる」
『魔法発動体』ってやっぱり重要なものなんだ?
とりあえず魔法の練習の理由は、何だろう?
使ってみたかったって言うのもあるし、信仰集めのための準備?
「えっと、『魔法発動体』は私の先生みたいな人から、無くても問題ないって言われました。魔法は憧れとか必要だったから練習していただけで、これからやら無いといけない事もあるし――」
「目的があるのか?」
うわー。何かまた一層警戒した顔をされちゃったんですけれど!
もうどうしようこれー!
「精霊系も何も、亜人種が旧世界≪ムンドゥス・ウェトゥス≫に居る時点でおかしいのよ!あいつら魔法世界≪ムンドゥス・マギクス≫から出ようとしないし!」
「エイト!勝手はするな!」
「あー、もう!分かりました!」
人型の精霊って魔法世界に居たんだ?
向こうに行ったらこそこそしなくて良いのかな?
「すまない。率直に聞くが、お嬢さんは”何”だ?」
何って言われても……。
どうしよう。天使です!って言ったら頭がおかしい人って思われるかな?
そもそも魔法世界には普通に亜人が居るって言っていたよね?
あれ?ちょっとまって!
「あの、もしかして貴方達は魔法世界の方ですか?」
「何の事だ!?」
あ、動揺してる。魔法世界って現実的で厳しいって言っていたけれど、むしろよっぽどファンタジーな気がするよ。
「我々が何者か説明したら、お嬢さんの正体を明かしてくれるか?」
うーん。信用第一だよね。
迷惑かけていたならちゃんと謝りたい。
人間関係は良くしておきたいかな。信用してもらえるように話してみよう。
「はい。説明してくれたら、私もちゃんと話します」
「……了解した。まず私は、魔法世界にあるメガロメセンブリアから派遣された、魔法調査隊の隊長だ。コードネームで失礼するが、デルタと言う。」
「同じく隊員のエイトよ」
「セブンです」
「えっと、シルヴィアって言います」
コードネーム!秘密組織とかが使ってるイメージだね!
あれ?っという事は魔法世界まで迷惑かけてたって事?
こ、これはヤバイんじゃないかな!?
「ご、ごめんなさい!」
日本人よろしくとばかりに思いっきり頭を下げて謝罪!
思わず謝っちゃったけれど、許してもらえるかな!?
「はぁ?」
「何をいきなり謝ってるのよ」
「え?魔法使った事を怒りに来たんじゃないんですか?」
あ、あれー?なんか呆れられてる?
ちょっと違ったのかな?謝り方が間違えてた?
魔法世界式の謝り方ってどうやるんだろう!
「シルヴィアさん。我々は原因不明の魔力の原因を調べに来ただけだ。怪しい集団の策謀や、テロリストでもなければ咎める理由も無い。どうか頭を上げてほしい」
勘違い?でもそれじゃ謎の団体達って……。
「え、でも、いろんな人たちが魔女っていきなり襲って来たから、何か悪い事をしてしまったのかと思っちゃいまして」
「それは旧世界の冒険者や団体が、名を上げたり政治利用するために始めた魔女狩りの余波だろう。魔法を使っているだけなら、どこにでもいるぞ」
え、冤罪ーー!!まさかそんな理由だったなんて。
中世の魔女狩りの酷さは歴史の教科書には載っていたけれど、自分がその立場になってみると随分と無茶苦茶だったんだね~。
「我々の説明はこんなところだ。次は君の番だが?」
「あ、はい。でも、信じてもらえるかどうか……」
「まず、話すだけ話してみてくれ。我々としても疑問はあるのでね」
それじゃ翼を出して説明、かな?魔法世界の人たちだったら、ゲートっていうのも貸してもらえたりしないかな?
集中して翼を出すイメージ。天使の姿に――!
「え!?」
「馬鹿な……」
「隊長!幻術や魔導具の観測はありません!」
やっぱり驚いてるよね。
翼に飛行魔法を意識して浮かび上がる。
演出は大事という事で~。信用してもらえないかな?
「えっと、こんな感じなんですけど。人間じゃないのは確かです」
「魔族、では無いのだろう?悪意の有る波動は感じない。何より透き通る銀の翼など聞いたことが無い」
――魔族!?あ、やっぱり悪魔とか居るんだ?
魔法があって神様とか天使が居る世界だものね。
悪魔とか居たって不思議じゃないのかな。
今はそっちは置いておいて、私の事の説明だよね。
「一応天使、です。使命があってこの世界に来たんですけれど、それの準備のために魔法は練習してました。地球と魔法世界のどちらにも用事があるので、魔法世界の人とちゃんと話をしてみたかったんです」
信じて、もらえるかな?
奇跡的な事はまだ出来ないけれど、ある程度は魔法で何とか出来ると思うんだけれど。
「隊長。あたし軍を抜けます」
「ハァ!?」
「エイト!いきなり何を言い出す!」
「シスターになります。と言うかこの子マジ天使」
「え~」
な、何この人。態度変わりすぎじゃないかな?
「だって魔法隊の任務はもう飽き飽きしてたのよね。どうせ隊長だってこんな爆弾見つけて放置する気はないでしょ?だったら私達の息がかかった教会に匿って、連絡を密にしてもらうのが有益なんじゃないかしら?」
「それはそうだが本人の前で策略を暴露するな!」
「イヤよ。だって私この子に味方するってもう決めたの」
無茶苦茶だ~~!
「と言うわけだからよろしくね?天使ちゃん?」
そう言うとエイトってコードネームの女性が腕に手を絡めてきた。
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