思いのほか筆が進んだので、再び連投になります。
2/11(土)
改行の整理をしました。
表現の修正をしました。
「我々は蒼の騎士団である!【黒森の白魔女】よ!我らの裁きを受けよ!」
そう宣言した男は大剣をかざして中央に立ち、魔法使いと思われる数名の男達は杖を持って魔法を詠唱し始めた。
どうしてこうなったのかな……?
色々な魔法を使えるようになったのは良いんだけれど、変な団体が来る様になりました。
別に悪い事はしてないよね?
森の奥で魔法の練習をしているだけだし、森から出てもいない。
翼の練習はしてるけれど。まだ派手な事はしないほうが良いって思っていたから、コッソリとしてたのに、いつの間に魔女認定されたのかな?
このままじゃまた問答無用で襲い掛かってくるし、魔法障壁張って諦めてもらおうかな。
「光の障壁」
自分を囲んで姿を隠すようなイメージで呟くと、私の周りに光の魔法障壁が展開される。
とりあえずこれで凌いでいたら諦めてくれると嬉しいんだけれど。
また魔法で脅したりしないと帰ってくれないかなぁ?
「――雷の精霊27柱!集い来たりて敵を射て!魔法の射手!連弾・雷の27矢!」
パシィ!
魔法の射手を波状攻撃して来るけれど、今の私の障壁ならそれくらいは効きません!
最初に襲われたときは加減が解らなくて、最初に魔法を使った時みたいに物凄い魔力で障壁張っちゃったけれど、防御に関してはこれくらいかな?――というのは、少し分かる様になってきました。
魔法使いの人たちは何とでもなりそうだけれど、騎士っぽい人はどうしよう?
普通の剣じゃ突破されないけれど、魔法使いが居るから多分普通じゃないよね?
「――氷の精霊7柱!集い来たりて敵を射て!魔法の射手!魔法の射手!氷の7矢!」
え?こっちじゃなくて別の方向に?何で向こうに撃って――。
ってまた別の団体が居るよ!あの人達に攻撃したって事は、仲間じゃないんだよね。
どうしよう、挟み撃ちにされちゃうと困っちゃうし。
でもあっちの人たちは何だか困ってるみたい?
「――契約に従い 我に従え 氷の女王 来れ とこしえのやみ えいえんのひょうが!」
え?何それ聞いた事無い魔法。氷河とか言ってるから、大きな氷の魔法って事かな?
さすがにマズイ――!?
パアァァァァン!
――キャ!し、障壁が吹き飛んじゃった!どうしよう!
とにかくあの人達はどっか行ってもらわないと!
なるべく吹き飛んでも傷つけないイメージで!
「来れ風精 光の精 光りに包み 吹き流せ 光の奔流 陽光の息吹!」
しっかりとした声で魔法を唱える。
淡い光が自称蒼の騎士団達を包んで拘束、吹き荒れる風が騎士達を舞い上げて彼方へと飛ばした。
「魔女めぇぇ――――!」
うわー。飛ばされる時まで魔女認定してくれなくてもいいのになぁ~。
諦めてくれないかな?まだもう1つ団体が居るしどうしようかな~。
やっぱり魔法障壁をもう一度張ろうかな?
「ねぇ、ちょっと良いかしら?」
「あ、ハイ?」
――あ!思わず返事しちゃった。
「エイト!勝手に接触をするな!」
「でもこの娘は無害そうじゃない?ぼけーっとした感じで」
無害認定もらえた!この世界で会った人で初めてかもしれない!
というか私はぼけーっとして無いよ!してないよね?
「まぁ良い。失礼お嬢さん。少しお話宜しいか?」
もしかして襲ってくる団体さんと目的が違う?
この人たちも怪しいけれど、悪い感じはしないし……。問答無用で攻撃してこない分話は出来そうだよね。あ、しっかりしないと。ボケッ子認定されちゃうのはイヤかな。
「はい、何のご用でしょうか?」
ちょっと硬かったかな?
相手が居て会話をするのも久しぶりだし~♪
「我々はこの森で過去数十年に渡り、大きな魔力が何度も観測された原因を調査に来た。お嬢さんが魔法使いであるのは解るが、何か特殊な魔導具を持っていたりしないだろうか?」
バレてる?というか観測って?魔法を使うと魔法使いには分かっちゃうんだ?
隠れていたのは正解かもしれないけれど、これじゃ魔法の練習をどこでしていても同じって事じゃない……。それで魔女狩りって団体が来ていたんだね~。
う~ん、何て答えよう?
真面目そうな人だし、正直に話したほうが良いのかな?
「えぇと、私はこの森で魔法の練習をしています。魔法の練習をしているだけで、特に何かを見つけたり迷惑をかけたつもりは無いですよ?」
魔導具って何かな?私の本に書いてあった『魔法発動体』とか言うやつ?
そういうのは持って無いし要らないって書いてあったと思うんだけれど。
「ふむ。それならばお嬢さんの魔力が異常に大きいだけなのだろう。他にこの森で練習する者や集団を見たことは無いだろうか?」
「集団ならさっきみたいにいきなり襲いかかってくる人達をたまに見たくらいです。問答無用なんで防御魔法を使って逃げたりしています」
「ねぇ貴女。さっきから随分軽装に見えるけれど、こんな森の深くまで飛行媒体や野営道具とか持ってきてないのかしら?獣の対策もしてるように見えないのよね」
あれ?なんか疑われてる?何か変な事言ったかな?
「えぇと……私はここに住んでるんでそういうのは要らないかなぁって……」
「「住んでる!?」」
そんな声を重ねて驚かなくても良いと思うんだけれど。
確かに森の奥だけれど、住もうと思えば住む人居るよね?
自然派志向の人とか、世捨て人とか。
「つ、つまりお嬢さんは、この森には詳しいと?」
「え?私の家がある周辺くらいですけれど、一応湧き水とか分かりますよ?」
「ねぇ、『魔法発動体』……。持ってるように見えないのだけれど、どうやって魔法を使ったのかしら?」
え?『魔法発動体』って魔法使うのに必要なの?要らないって書いてあったから特殊なものだって思っていたんだけれど、もしかしてまずいのかな?
って、このおじさんあからさまに警戒した顔になってる!本当にヤバそう!
「まさか儀式で転化した魔女だっていうの?冗談じゃないわ!」
「待てエイト!落ち着け!」
冗談じゃないのはこっちです!
初めて無害認定されたと思ったら結局魔女ですか!理不尽じゃないかな!
とにかく魔女じゃないって説明しないと!
「あの!私の場合『魔法発動体』ってのが要らないって書いてあって!」
「書いてある!?」
「どういう事よ!」
ああぁぁ!何だかますます泥沼になってきたような!
「隊長!遅くなりました!観測結果出てます!」
「セブン!?待機を命じたはずだ!」
「戦闘終了してる様子なのに、指示無し、連絡無しじゃ様子も見に来ますよ!」
「……む!たしかに」
観測?調査に来てるって言っていたから、何かを調べてたんだよね?
何を調べたのかな?
「それでセブン。わざわざ現場に来るほどか?念話で済むだろう」
「それが結果を見る限り戦闘になったら、かなりの危険と判断しまして、最悪の場合は間に入ろうと思い……」
「――!結果から言え」
「了解!結論を言うと、そちらの女性は『精霊系亜人種の様に見える何か』という事が分かりました!」
精霊系亜人種?確かに人間じゃないって分かってるけれど――。
何だろう。なんか、悔しいな……!
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