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2/10(金)
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プロローグ
第4話 魔法は初心者!


 はい。そんなわけでヨーロッパです。
 現在は西暦1100年くらい。最初に『ネギま!』につれて来られて精霊(中身は天使だけれど)になってから、1800年ほど無意識で精霊に溶け込んでいたようです。
 気が付いたら年齢だけはおばあちゃんを遥かに超えてるって……。
 うん、あまり考えないようにしよう。

 容姿については、「天使様やるんだから見目麗しいほうがいいでしょ!」
 と、一蹴されてしまいました。まー、確かにそうなんだろうけれど~。
 嬉しいと言えば嬉しいんだけれど自分じゃなさ過ぎて微妙。

 今居る場所は、とにかく森。森。森。大事なことなので3回言いました。
 助けてもらった女神様(現在の上司らしい)に連れられて、森の中まで飛んできて(飛ばされてきて)家だけは作ってくれました。
 現代風のベッドルームとリビングにバスルームのサービス付き!現代人に中世とかの生活は厳しいです!洗濯機が無い!って言ったら服は魔力で編まれてるから汚れないそうです。
 白か黒のゴシックドレスしか無いんですがいぢめですか?白はともかく黒で天使しろって無茶ですよね!

 それから翼が邪魔です!
 って言ったら無理やりぐいぐい押しこまれて、見事に消えました!出せる自身はありません!なんだかんだとやり取りした女神様は、「じゃ、あとは頑張りなさい」って帰ってしまいました。
 しまった、名前を聞いてなかった~。マッチョも知らないけれどもう居ないらしいからそっちはいらないかな。上司らしいし、また会う機会もあるよね?



「とにかく説明書の確認かな。何が出来るかわかっておかないと信用も何も得られないよね」

 『シルヴィアちゃんの取扱説明書♪』とか、1ページ目に底抜けに明るい字で書かれた本を読んでみないことには始まらないし。

「どれどれ~っと」


 ――シルヴィアちゃんの取扱説明書♪を、簡単に説明すると。


・本は自身の魔力で構成してあるので、念じると体内にしまうことが出来る。

・転生者が生まれる年代に近づくと表紙裏に大まかな情報が出る。転生者の前では本が発光する。

・本は『セフィロト・キー』を使い終わった時点で消滅する。

・『セフィロト・キー』は裏表紙に手を当てて召還する、ただし転生者4人分まで。

・魔法発動体を介せず精霊を集合させて魔法を使える。詠唱は必要だが始動キーは要らない。ただし光と闇はその限りではない。

・身体を損失しても再構成できる。応用すれば大きさも変えられる。

・翼の分解と再構成による出し入れが出来る。

・特定の相手を祝福できる。ただし光か闇限定。

・仮契約を行うと、従者は半精霊化する。実質不老。

・本契約を行うと、従者は眷族になる。実質不老不死。


 何だか、随分とチート仕様な気がしてならないんだけれど、大丈夫なのかな。
 とりあえず、契約とかは慎重になろう。
 あの神様みたいな事はしたくないよね。



「時間は有るんだし、練習!外で色々試してみようかな」

 ともかく静かな森の奥。
 人も来なさそうなくらい深いから魔法使っていてもそうそうばれなさそう。

「えぇと、教本の部分は~。あったあった。後ろのほうのページだね」

 ――魔法初心者は灯火から♪魔法少女なイメージでレッツトライ☆

「これは……。本気にして良いのかな?」

 うさんくさいなぁ。もうちょっと読み進めてみよう。

 なになに、魔法をは理論・実践・制御で成り立っている。
 精霊を扱うための理論が完璧でも経験が無ければ扱いは上手くならない。
 また制御が疎かであれば集められる精霊も少なくなり、実際の効果も薄いものとなる。

「なるほどねぇ~。魔力だけはたくさんあるみたいだけれど、練習しないとダメですってことだね。どこの世界でも勉強は必要か~」


・魔法理論編は、○○ページから


・魔法制御編は、○○ページから


「実践編は細かく書いてないし、やってみるしかないかな~?」

 とりあえず灯り?なら危険はなさそうだし?
 せっかく魔法の世界にいるんだからちょっと憧れるよね♪

「プラクテ ビギ・ナル 火よ灯れ!」

ゴオォォォ!

「うひゃぁぁぁぁ!」

 何かたき火が出来たんですけど!どういう事!?灯りじゃないの?

「って、このままじゃ火事になっちゃう!水みずミズ~~~!?」

バシャァァァァ!

「冷たい……。水浸しになるほど集まらなくてもいいのに~」

 外でやっていて良かった。
 こんな事になるなんて。相性が良い光か闇からはじめたほうが良いのかな?

「えぇと…闇は危なさそうだし、光の魔法にしよう」


・攻撃魔法
集めた精霊の数の分だけ『魔法の射手』を放つ初級魔法。状況に応じて連弾や収束を使い分けられる応用性がある魔法。


・防御魔法
自分の周囲に張り巡らせる魔法障壁と、任意の点や面に収束させる魔法の楯がある。


 ………………。どう考えても楯からだね。
 攻撃魔法はヤバイ!
 灯りがたき火になったり、消火したいだけで水浸しになるんだし攻撃は危険だよ!

「えっと、自分の周囲に楯があるイメージで……。光の障壁!」

 って、まぶしいぃぃぃぃ!
 何これ!?あたり一面光っていて何も見えないよ!
 もしかしなくても、また威力がありすぎるてっ事かな?

「か、解除~!おしまい~!」

 そういうと、精霊が解散してくれたようで普通の景色に戻ってくれた。

「これはダメだなぁ~。制御が出来てないお手本みたいな気がするよ……。当分は制御の勉強だね」

 あ、翼の出し入れの制御も出来るようにならないと。
 課題が山積みだなぁ~。魔法ばっかり夢中になってついつい忘れてたよ。
 まだまだ人間のつもりだし、いろいろ慣れないといけない事が多そうだね。

 そういえば私の他の転生者も人間じゃない種族で生まれてきたりするのかなぁ?
 探す時は気を付けないとね――。


4話目終了です。


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