2/10(金)
改行を整理しました。
表現を修正しました。
「あはは、ここってどこかな~?」
周囲を見渡してみる――。
回りは海。足元は岩場。以上。
いきなりハードモードですか?
せめて何か……。部下じゃなかったんですかマッチョ神。
「うむ!またせたな!」
「ひゃあぁぁぁ!」
唐突に背後から声がかかり、驚いて振り返ってみると。マッチョ神。
もしかして意外と良い人(?)なのかな?
と、とりあえず聞くだけ聞いてみないと!
「えっと、質問の続きってして良いですか?」
ダメかもしれないけれど、とりあえず聞いてみよう。
聞かないよりはましだよね。
「よし!『神核』はちゃんと機能してるな!これから転生特典だ!ちゃんと受け取れよ!」
ダメだった。
このマッチョ神、全然人の話を聞いてないよ。
あれ?と言うか今の私って人間なんだろうか?
『神核』とか言うのが機能してるって事は、人間じゃなくなってるのかな?
全然実感がわかないんだけど。
「■§※★∴⇒∇△◎※%◆!」
うん、もはや理解不能。
相変わらず何を言いたいのかまったく分からないマッチョ神だよね。
そう思っていると――。
海がまったく波立っていない事に気が付いた。
「何、これ……」
思わず呟いてしまうくらいおかしい。
しかも海どころか世界中から色が失われていっている。
白と黒だけの世界になったところで、マッチョ神は私の身体を再び持ち上げた。
「全ての光と闇の精霊ども!貴様らの神が命令する!――こいつと混ざれ!」
――な!?せ、精霊って、しかも全部!?
そう考えている間に――。
周りから白い尾を引いた光の玉と、黒い残像を残しながら闇色の玉が迫ってくる。
「ちょっと!何するんですか!?マズイんじゃないんですか!?」
もはや完全にパニック状態。
いくら天使(?)だか部下だかになったとしても、全部とか正気かと!
そうは思っていても、視界はもはや白と黒とマッチョ神だけ。
うぅぅ、なんて嫌な光景。あ、意外と余裕あるじゃない。
「問題ない!世界の時間は停止済み!地球と火星に行き渡らせるための神力も十分だ!」
世界の時間は停止って、伊達にマッチョじゃなかったんだ。
そんな事を考えていると、どんどん私の手足の端から光と闇が入り込んでくるのが分かる。
「あぐ!やめ……あぁぁ!」
――痛い!
他の感情、思考が追いつかない。手足が砕けて再生してまた砕ける。
手足が一通り砕けて再生したら次は胴体。頭。そして魂。
意識を失うことも出来ず、集まった精霊の気配がなくなると同時に、私の身体も心も光の粒子となって空気中に溶け消えていた。
――――。
――――――――。
――――――――――――!
――光の精霊3柱!集い来たりて敵を射て!魔法の射手!光の3矢!
(『声』が聞こえる……)
――魔法の射手!闇の21矢!
(呼ばれた様な……)
――――!
――――――!
――影の精霊7柱!集い来たりて敵を射て!魔法の射手!影の7矢!
(――私を、……呼んでるの?)
――――!
――――――!
――光の精霊101柱!集い来たりて敵を射て!魔法の射手!連弾・光の101矢!
(――やっぱり私を呼んでいる、デモ、ワタシッテナニ――?)
「適応完了。セフィロト・キー、『リライト』!」
――急に目の前が晴れてゆく。ここって何処だっけ。
「ごめんなさい!大丈夫!?意識はある!?」
――随分と心配している様な声が聞こえるけど。
「再構成は問題なさそうだけれど、どうも意識がはっきりしてないわね……。」
――再構成?何の事……?
ごす!
「いったぁぁぁぁぁぁぁぁ!いきなり何するの!?」
痛すぎる!なんか大きなハンマー持ってるんですけれど!
何この人いきなり殴るなんて!
でもこんな痛みってあのときに比べたら……。
あの時……?
――あ!
「ああぁぁぁぁぁぁ!?」
ごす!
「痛いってば!」
痛みに耐えつつ叩き続けてきた人を見てみと、何かすごい美人が居た。
「やっと気がついたわね。めんどくさい事になってるけれど、結果的にOKよね!」
「OKじゃないです!何ですかいきなり!」
「助けてあげた割りには随分じゃないの?」
「え!?」
助けてあげた?
誰を?私?助けるって何から……。
「馬鹿マッチョからよ」
って、心読まれた!?またなの!
「まずは謝罪ね。本当にごめんなさい。二重の意味で貴女には迷惑をかけてしまったわ」
「二重ってどういう意味ですか?」
とりあえず、マッチョ神が1つなのは間違いなさそうだよね。
もう1つは何なのかな?
「2つとも馬鹿マッチョよ」
また心が読まれてる。気にしたら負けかな?
「大丈夫よ。きちんと説明するわ。まず1つ目は、死者の魂が輪廻へ向かうときに勝手に連れ去った馬鹿の事」
勝手に……?
あの転生っていきなりだと思ったけれど、そんな理由があったんだ。
「それから2つ目は、あいつが勝手に天使にした上に、セフィロトを使わざるを得ない状況になってしまったこと」
あ~~。やっぱり天使にされたのってまずかったんだ。
そりゃ人間がいきなり天使とか神様とかになったら大変そうだものね。
「残念ながらすでに下級神よ」
「え~」
「え~、とか言わないの!」
でも下級神といわれてもね~。
実感も無いし、やっぱり心読まれ……しまったまた負けた。
「ぶっちゃけ貴女が天使になっててもそこは問題ないの」
問題ないんだ?じゃぁ、どこが問題なのかな?
「馬鹿マッチョが創造したこの世界は、彼の『神核』で維持していたけれど、すでに処罰により彼は消滅しているのよ。けれども生まれてしまった世界自体を消すことは誰であろうと重い罪、世界を消さないためには馬鹿マッチョの眷族である貴女の『神核』を活性化して、管理を手伝ってもらうしかなかったのよ」
ちょっと待って。
相変わらず嫌な予感しかしないんですが、拒否権もなさそうだし。
「無いわね。さっきも言ったとおり世界を創造したら管理するのが神の義務。不条理ながら貴女にはすでに義務が発生しているわ」
「え~」
「え~、言わない!」
ごす!
痛ったい!ループですね、分かります。
しかし世界の管理かぁ。
(意識の上では)さっきまで学生だったのに無茶振りするなぁ~。
「あとセフィロト・キーの説明ね」
「セフィロト・キー?」
「そう、まぁセフィロト、生命の力が乗せられれば何でも良かったんだけれど、この世界との相性の問題でね。鍵の形で『リライト』って魔法で再構成するのが一番適応しやすかったのよ」
『リライト』……?
それって、何とかっていう魔法世界の組織が使っていた様な?
「そうそれね、問題はセフィロトの力は1つの魂に対して、生涯に1回しか使えないこと。分解された貴女を早期に再構成するには手っ取り早かったからと言うのと、馬鹿マッチョの『神核』のエネルギーを受け止める器まで一気に成長させる必要があったって事かしら」
何ぃぃぃぃ!マッチョ神を取り込だの!?
それは生理的に無理!キモ過ぎる!
「拒否権は無いわよ」
……ですよねー。
「彼の人格は消滅して純粋な神力だけだから安心しなさい。再構成したついでに神格も上がったことだし、天使名も命名しておいたわ。光と闇の精霊の影響で銀色だらけになっているから、貴女はシルヴィアね。階級の権天使≪アルケー≫をミドルネームに、今世では精霊体だから精霊信仰の『アニミズム』からとって、シルヴィア・A・アニミレスよ。頑張ってねシルヴィアちゃん♪」
――なんですとー!?
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