若者の酒離れは要因は“欲”がなくなったから?

[2012年03月15日]


日本では1990年代半ばをピークに、お酒の消費量がジワジワ減少しています。その最大の理由は、若者が外でお酒を飲まなくなったからだとか。

確かに昔の人たちのように仕事が終わったら飲みに行くのが当たり前、という習慣は今の若い人にはありません。こういった“飲みニケーション”のわずらわしさに加え、お酒そのものにおいしさを感じられないというのも、その理由でしょう。

流通ジャーナリストの金子哲雄さんに、そんな最近の若者のお酒事情と、オススメの外飲みを聞きました。

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最近の傾向としては、お酒のソフトドリンク化が進んでいますね。お酒に弱い男子が増えて、アルコール度数の高い商品は敬遠されるようになってしまいました。ビールや焼酎、ワイン、日本酒の売り上げが伸びていない半面、カクテル系や低アルコール&微炭酸飲料が人気です。

ジュースみたいなお酒が増えたことで、20代の酒離れにやや歯止めがかかる兆しは見えますが、やはり若者が以前よりお酒を飲まなくなっているのは事実でしょう。

実際に居酒屋メニューの値段がこれだけ下がっても、若者は外飲みしません。彼らはおなかはいっぱいで、ノドも渇いていませんから。昔みたいに合コンや飲み会をする人も少ない。つまり、若者が欲をなくしてしまったんです。

今はアダルトDVDやゲームが普及し、疑似恋愛で十分満足できる時代になりました。その結果、男子たちは、フラれるリスクを負ってまで告白しようとはしなくなった。だから、女のコと飲み会をしないし、デートもしない。総じて欲のない社会になり、それがお酒離れにつながっているのだと思います。そう考えると一番悪いのは、かわいいコがAVに出すぎなことなんですよ!

さらに「3・11」以降は家族の“絆”志向が強くなり、外食産業はかなり苦しんでいます。特に影響が顕著なのは居酒屋チェーンで、売り上げが2割くらい減っているみたいですね。

居酒屋側もいろいろ工夫してはいるんです。そのひとつが飲み放題。でも飲み放題なんて、よほどの大酒飲みでなければ元は取れないし、そもそも“飲んべえ”のいない時代には喜ばれないサービスですよね。それでも飲み放題に行くなら、時間無制限の店か、30分300円など時間区分が小刻みな店がいいでしょう。

これからの時代、外で飲むなら私のオススメはファミレスです。「飲み会初心者はファミレスへ」という金子家の家訓があるほどで、セットメニューは安くてお得だし、時間も気にならないので誰でも楽しめるんです!

ほかには、中華料理チェーンの店で飲むのも正解。「福しん」の餃子とビールなんて、一番のパーティメニューです。ここの餃子は5個100円。今は、「福しん」「日高屋」で飲むのが通ですよ!

(取材・文/宮崎俊哉、中島大輔、名須川ミサコ、撮影/西崎進也)

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