京都府立医科大の男性教授がかかわった複数の論文について、図や表を改ざんした疑いがあると指摘されているとして、米国心臓協会(AHA)は12日付で懸念の声明を公表し、同大に調査するよう求めた。大学側にもすでに同様の指摘があり、昨年12月に調査委員会を設置し、教授らから事情を聴いている。
AHAが示したのは、AHAが発行している三つの学術誌の2001〜04年の号に載った5本の論文。心不全や血管の再生に関する基礎研究などだった。大学側には、5本とは別の論文でも図の使い回しなどの不正の指摘があったという。
この教授は朝日新聞の取材に「図を使い回したり、誤って上下を逆にしたりしたことはあったが、認識不足や単純なミスだ。意図的な改ざんではない。調査には協力している」と語った。
実業家が設立した米国カブリ財団から基金の寄付を受けて、東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)が4月から「カブリ数物……」と名乗ることになった。