カブール(CNN) アフガニスタンに駐留する米兵が民間人16人を殺害した事件で、北太平洋条約機構(NATO)司令部は14日、容疑者の米兵をアフガニスタンから出国させ、クウェートに移送したことを明らかにした。一方、パネッタ米国防長官は同日アフガニスタンを訪問し、ワルダク国防相と会談している。
容疑者の米陸軍2等軍曹は11日の事件後、米軍に拘束されている。米国防総省の報道官によれば、「アフガニスタンには同容疑者をさらに長期間勾留しておくのに適した施設がない」との理由により、身柄の移送を決めた。
国防当局者がCNNに語ったところでは、移送先は司法手続きを行うための米軍の施設と人員のいるクウェートだという。
アフガニスタンのNATO司令部は、移送については事前にアフガニスタンの一部当局者に連絡したとしている。同国の国会は容疑者の公開裁判を求めているが、米国は自国で訴追する方針。
一方、アフガニスタンの米軍基地を訪問したパネッタ国防長官は、事件について「深く心を痛めている」と述べ、米兵が起こした殺人事件やイスラム教の聖典コーランの焼却問題などについて「それぞれの事件から教訓を学び、再発防止に向けてできる限りの手を尽くさなければならない」と指摘。今回の「悲劇」は「国際部隊とアフガン国民との関係を象徴付けるものではない」と強調した。
米政府高官がアフガニスタン入りするのは、11日の射殺事件発生後初めて。ただ、訪問は以前から予定されていたもので、事件が起きたカンダハル州の訪問は日程に含まれていない。
パネッタ長官が訪問したヘルマンド州では14日、爆弾テロで8人が死亡する事件も起きた。パネッタ長官は無事だった。