2012年1月19日 17時46分 更新:1月19日 19時55分
防衛省は19日、航空自衛隊が領空侵犯の恐れがある中国機に対して行った緊急発進(スクランブル)が、昨年4~12月だけで143回に達し、国別公表を始めた02年度以降の対中国の年間最多記録を上回ったと発表した。前年同期の3倍で、最も多かった昨年度は1年間で96回だった。長時間飛行するY8情報収集機が尖閣諸島に近づく回数が増えているといい、日本側の電波情報の収集をしているとみられる。
同省によると、中国機に対するスクランブルは07~09年度は年間31~43回だったが、昨年度後半から増え、今年度も4~6月27回、7~9月56回、10~12月60回と四半期ごとに増加傾向にある。
昨年4~12月の外国機に対するスクランブルは前年同期比45回増の335回。ロシア機は175回で前年同期より45回減少しており、国別の割合も中国が43%と、ロシアの52%に迫っている。ロシア機に対しては10年度に264回だった例がある。【鈴木泰広】