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国会図書館の絶版本、公共図書館に配信へ 文化庁方針

2011年4月27日5時4分

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 国立国会図書館の蔵書のうち絶版などで入手が困難な出版物について、文化庁は著作権法を改正し、同館が著作権者の許諾を得ずに電子データを公立や大学の図書館に配信し閲覧できるようにする方針を固めた。27日に開かれる作家や出版社、図書館団体などによる検討会議に案を示す。

 配信対象となるのは、相当の期間重版されていないなどで市場で入手が困難な出版物。ただし、同時に閲覧できる人数は国会図書館が所蔵する冊数と同数までとし、印刷は認めない。再版が決まった場合などは、作家らの申し出により対象から外せるようにする。

 国会図書館は、蔵書の劣化防止対策で1968年までに刊行された出版物約90万冊を電子化し、画像データを保存。このうち著作権が切れているものなど明治・大正期の17万冊については同図書館のホームページで画像データを公開している。文化庁の方針通り法改正が行われれば、公立、大学図書館で閲覧できる出版物はさらに増える。

 文化庁は昨年11月、作家や出版社、図書館団体などが参加する「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」を設置。このなかで国会図書館の蔵書を国民全体が活用できる方策について検討してきた。

 国会図書館蔵書のネット配信をめぐっては、長尾真館長が2009年、有料公開し作家らに著作権料が還元される仕組みを提唱したが、出版社側からは「民業圧迫だ」と反発が出た。文化庁は権利者側も受け入れられる対応を探っていた。(赤田康和)

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