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'12/3/13

小型固定翼機の利用困難に



 広島県営広島西飛行場(広島市西区)のヘリポート化に伴い、9月末で小型固定翼機は利用できなくなる。現在、事業所や個人らが所有する10機が駐機する。空撮業務などを担う2社のうち1社は撤退を決定。一方、愛好家は「機体が遠方では、十分な整備ができない」と懸念している。

 事業者は既に対応を決めた。第一航空(大阪府八尾市)は、駐機する1機を写真撮影や遊覧飛行に使用。今月末で機体を大阪に移し、「ほぼ同じ料金」(広島営業所)という小型ヘリを配備する。

 共立航空撮影(東京都三鷹市)は、空撮の依頼を受けて大阪などから機体を派遣してきた。窓口の広島営業所は廃港とともに閉鎖。今後、広島周辺の空撮は岡南飛行場(岡山市南区)、松山空港(松山市)を利用するが、「撮影地点まで時間がかかり、撮影に使える燃料と時間が制約される」(本社)という。

 愛好家にとってはさらに深刻だ。広島空港(三原市)には、小型機が長期使用できる駐機施設はない。県は昨年末、所有者に受け入れ可能な飛行場として岡南飛行場、北九州(北九州市小倉南区)、鳥取(鳥取市)両空港を紹介した。

 愛好家20人は、県に対し(1)跡地利用策決定まで滑走路を運用(2)小型機用の滑走路を残す(3)広島空港に小型機用の長期駐機場を新設する―の3案を提示。今月中の回答を求めている。

【写真説明】広島西飛行場に駐機する小型固定翼機。後方の滑走路は廃港で使えなくなる(広島市西区)




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