海外ファンド主導で国債相場が急落、一時停止措置寸前に
[東京 15日 ロイター] 日本国債の先物相場が急落した背景にあるのは海外ファンド勢の動きだ。米金利急騰で商品投資顧問業者(CTA)が買い持ちを解消したほか、マクロ系と呼ばれる海外ファンドは新たに売り持ちを構築し始めたという。
急ピッチな相場変動で銀行など主要投資家による現物国債の買いを期待していた証券会社はヘッジ売りを余儀なくされ、一時停止措置が発動される寸前まで下げ幅を広げた。
15日の国債市場は大荒れとなった。日本相互証券の業者間取引では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時、前日より0.055%ポイント高い1.060%と昨年12月5日以来、およそ3カ月ぶりの高水準に上昇。これまで追加緩和期待に支えらてきた5年物利回りは、前日より0.060%高い0.375%を付ける場面があった。
現物より振れ幅が大きかったのが先物相場だ。国債先物の中心限月6月限は前日終値より85銭安い141円08銭と、1円のサーキットブレーカー発動条件に迫った。
相場急落を主導したのはCTAやマクロ系ファンドなど海外勢との見方が多い。在京の外資系金融機関の債券ディーラーは「14日にCTAがまとまった売りを出して以降、これまでの買い持ちを解消する動きに加え、新たに売り持ちで構える参加者が増えてきた」と指摘する。
急落を受けて「日銀の緩和期待や年度末の好需給で『必ず買いが入るからヘッジはいらない』とタカをくくっていた業者が、相場急落により慌ててヘッジ売りを出していた」(邦銀)ことも、下げ幅を広げた一因とみられる。
今後の動向をめぐっては、専門家の間でもその見通しが交錯している。SMBC日興証券の野地慎シニアストラテジストは「ロスカットなどによる先物売りの圧力はしばらく続くと予想され、安易なロングポジションは避けるべき」と指摘する。
JPモルガン証券の山脇貴史チーフストラテジストは「ファンド勢がロングを落としている最中であるとみられ、銀行勢もヘッジを始める可能性が高まってきた」とする一方で、「マクロ系ファンドなどのショート積み増しも予想されるが、相応の押し目買いも想定されるため、これ以上の上昇余地は限定的では」と話す。
市場では「メガバンクが残存4年などの中期国債を売却する動きはあったが、ゆうちょ銀などは新発10年物の購入に踏み切っていた」(前出の外資系金融機関)と楽観する声も出ているが、急速に高まった相場変動率が低下するまでは、神経質な展開が避けられそうにない。
(ロイターニュース 山口貴也 編集:伊賀大記)
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