不当な安値で新株を発行し会社に損害を与えたなどとして、かつらメーカー「アートネイチャー」(東京)の埼玉県内の男性株主が、五十嵐祥剛会長兼社長ら4人に計約22億5千万円を同社に賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地裁は15日、2億2千万円の支払いを命じた。
福井章代裁判長は新株を発行した2004年前後の株価状況や会社の純資産額などを基に、公正な価格は少なくとも1株7千円だったと算定し、1500円の発行価格は「4分の1にも及ばず、著しく不公正」と判断。
さらに、株主総会の特別決議を怠ったと過失を指摘。公正価格と発行価格の差額を賠償する義務があるとした。