去年3月の巨大地震と大津波のメカニズムを解明するため、日本やアメリカなどの共同研究チームが、来月から東北沖の震源域の海底深くを掘削する大規模な調査を行うことになりました。
去年3月の巨大地震では、「太平洋プレート」と呼ばれる海側の岩盤が、陸側の岩盤の下に沈み込み始める「日本海溝」付近で、断層が大きくずれ動き、津波を増幅させたという指摘があります。
日本やアメリカ、それにヨーロッパなどの専門家による共同研究チームは、断層の動きなどの地震のメカニズムを解明するため、宮城県の牡鹿半島の沖およそ220キロの震源域の海底を掘削する大規模な調査を行うことになりました。
調査には、独立行政法人・海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」を使い、水深7000メートルの海底の2か所に、直径10センチほどの穴をおよそ1000メートルの深さまで掘ります。
断層付近の岩石を採取するとともに、穴の中に多数の温度計を設置して、地震による摩擦で生じた熱の変化を観測し、断層がどれくらいの力や速さでずれ動いていたのか、分析することにしています。
研究チームは来月1日に静岡市の清水港から東北沖に向けて出港し、およそ1か月間かけて掘削や観測機器の設置を行う予定です。
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