Sun社が「組み込み向けSolaris」のPowerPC版を公開,自動車などの用途を検討
米Sun Microsystems, Inc.は,同社のUNIX系オープンソースOS「Solaris」を組み込み用に書き換えるプロジェクト「Pulsar」で,PowerPC系アーキテクチャに初めて対応したバイナリ・コードの提供を始める。同社の研究開発を担当するSun Microsystems Laboratoriesの成果を公開するイベント「Sun Labs Open House」で明らかにした。Pulsarは,Sun社の半導体・OS技術をサーバーやワークステーション以外の市場に展開する戦略の一部である(Tech-On!関連記事)。
今回PowerPCに対応したことで,Solarisを組み込み用途で本格的に活用できるようになるという。「Solarisは既にリアルタイムに対応しているし,セキュリティ関連機能が豊富なので,自動車やネットワークに関連する機器メーカの興味が高まっている。今回のPowerPCバージョンで,組み込み機開発者はLinux以外のオープンソースOSを選べることになる」(Sun社の開発者)。
Sun社が公開したPowerPC対応バイナリ・コードは,米Freescale Semiconductor, Inc.の動作周波数1GHzのマイクロプロセサ「MPC7447」上で動作する。2006年8月までに,コマンド・インターフェースで動作するバージョンを提供する予定である。なお,PowerPC対応バイナリのソース・コードは,2006年6月中に公開する計画という。
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