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母子殺害 差し戻し審で無罪判決

3月15日 13時52分

母子殺害 差し戻し審で無罪判決

10年前、大阪のマンションで主婦と子どもが殺害された事件を巡り、いったん死刑判決が出たあと、最高裁判所が審理のやり直しを命じた裁判で、大阪地方裁判所は、殺人などの罪で起訴された被告に無罪を言い渡しました。

無罪判決を受けたのは、大阪刑務所の刑務官、森健充さん(54)です。
平成14年に大阪・平野区のマンションの部屋で、義理の娘で当時28歳の主婦と1歳の長男が殺害された事件で殺人などの罪で起訴され、一貫して無罪を主張しました。
1審と2審は、マンションの階段で、被告のたばこの吸い殻が見つかったことなどを根拠に有罪と判断し、2審が死刑を言い渡しましたが、最高裁判所は「吸い殻は変色していて、事件よりかなり前に捨てられた可能性があり、有罪と認めるのは困難だ」と審理のやり直しを命じていました。
15日の判決で、大阪地方裁判所の水島和男裁判長は「事件当日、被告が被害者の部屋に立ち入ったとは認められず、たばこの吸い殻も、被害者が以前に被告の携帯灰皿の中身を捨てたものである可能性が高い」と指摘しました。
そのうえで「被告を犯人とするのは著しく困難だ」として無罪を言い渡しました。