鶴竜(左)に寄り倒しで敗れた把瑠都=大阪府立体育会館で
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◇春場所<4日目>
綱とりを目指す大関把瑠都(27)=尾上=に早くも土がついた。大関とりを狙う関脇鶴竜(26)=井筒=に終始、主導権を握られて寄り倒された。鶴竜は4連勝。白鵬は時天空を豪快にすくい、日馬富士も栃乃若を押し出してともに4勝目。琴欧洲と琴奨菊は1敗を守り、稀勢の里は星を五分に戻した。前頭では高安がただ一人、勝ちっ放し。
痛すぎる1敗に把瑠都の顔がゆがむ。引き揚げてくる東の花道奥の通路で「しまった…」と首をひねり、唇をかんだ。
鶴竜の俊敏な動きに翻弄(ほんろう)された。突き放しにいったところをいなされ、懐に飛び込まれて振り回される。いったんは離れたが、上体が浮いたスキを突かれ、再び潜り込まれると土俵際まで後退。最後は外掛けに我慢できず、左の膝からガクンと落ちた。
「(立ち合いで)突き放したかったが…。胸を合わせてないよね。合わせれば私の力で勝てた。組みに行けば良かった」と悔やんだ。
昨年の秋場所。鶴竜の立ち合い後の変化に屈している。「相手がどうくるか楽しみだった」と強がったが、ちょっとした心の迷いが後手を踏む原因となったか。先立つのは後悔の念ばかり。
綱とりの条件は優勝かそれに準ずる成績と言われている。北の湖理事長(元横綱)は「前半の1敗は響いてくる。負けられない気持ちが強くなるから」と指摘したが、把瑠都は気持ちを切り替えるように「残り11日間。まっ、頑張ります」とV戦線に踏みとどまる決意を示した。
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