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33:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/06(月) 19:10:44 ID:KYjv0Na4
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あ、レベル5がなかったw
まあレベル5はプロレベルなので、バンド側は音楽に専念していれば宜し。
で、スタッフ編
スタッフの役割
みんなが自分たちで全てのことを行う状況から、だんだん規模が大きくなってくると
スタッフの力が必要になってくる。自然発生的にライブを手伝ってくれるボランティアの
人なんかも出てくるんだけど、その人達ではできないプロの力が必要になってくるので、
友達以外の人たちとかかわりが出来ることになる。
メジャーに近くなると何らかの形で音楽事務所に所属することになる。
そうすると音楽事務所の中で担当者がつく。
担当者
音楽事務所の中でみんなの担当になっている人という定義だけなので、
掛け持ちは当たり前で、事務所との打ち合わせを行う人という感じ。
個人レベルの事務所だと社長=担当者なんてこともあり、「いっしょに
頑張ろうぜ!」と暑苦しい、もとい、熱い人も多いんだが、
大手なら担当者との人的結びつきはドライであまり強くないのが普通。
事務所に所属するレベルだと、東名阪くらいのツアーは普通にやるので、
最初にみんなにつくのはPAエンジニアだ。
これは通常事務所側から音響屋さんに発注が来るので、
みんなが直接発注することは基本的にはない。
PAエンジニア
3~10年目くらいの中堅エンジニアが一人でツアー(旅と言うことが多い)に
同行する。このレベルだとだいたいがライブハウス周りなので、
PAチェックなどリハーサルまでに必要な人手はライブハウス側に
お願いするのが普通で、機材も基本的にライブハウス常設のものを使う。
照明はだいたいライブハウススタッフにお任せになる。
マネージャ
このクラスのバンドものではマネージャは同行しないことも多いが、
アイドル系などでは必ず同行してくる。いずれにせよアーティストの代理と
ケアが仕事なので、パシリに近い事までやってくれるが、
コンサートスタッフ的な事には手を出さないので、
楽器のケアはバンド自身がする必要がある。
で、もうちょっと売れてきたとして、
規模が大きくなって、ライブがホール規模を越えると、ステージ関係だけでも
・PAオペレータ
・照明オペレータ
・舞台スタッフ
・舞台監督
・特効スタッフ
・楽器スタッフ
・トランポ
・マネージャ
などかなり大所帯になってくる。
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34:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/06(月) 19:17:53 ID:KYjv0Na4
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PAエンジニア
この規模ではまずPAは客席向けの音を出すメインエンジニアの他に、
ステージのモニタスピーカを専門に受け持つモニタエンジニアが付くことが多く、
ステージマンと呼ばれる若手を加えて3名体制の場合が多い。
機材も持ち回りになるので、仕込みとバラシ時には「バイト君」を主催者に
5名程度手配してもらい、荷物の積み卸しやスピーカの積み上げなどを行う。
ライティングエンジニア
つまり照明屋さんのことだけど、数名のスタッフが同行することもあるが、
通常はメインのオペレータのみかプラス1名ぐらいの体制が多い。
照明の仕込みにはホールクラスだと5名程度必要になるけど、
その場合は「現地さん」と呼ばれる照明スタッフを会場ごとに発注し、
仕込み・ピンスポットオペレート・色替えなどをお願いするのが一般的。
この現地さんがあるので、照明屋は比較的食いっぱぐれない。
舞台スタッフ
舞台スタッフはステージ上の作り物や美術を担当し、主に仕込みの
早い段階で作業が終了するので、後述の舞台監督と会場の常駐スタッフ数名が
この役割を果たすことが多い。ただ本文中に転換など舞台組みが変わる場合などは
専任スタッフが同行する。
舞台監督
舞台監督はステージの現場責任者「ぶかん」はまだしも、「ぶたかん」って
あんまり偉くなさそうな略称になるけど、ステージでは一番偉い人。
音響・照明などの各セクションが舞台監督の指揮下にはいる事によって
現場の判断が一本化され進行がスムーズに進むことになる。
通常1名で舞台スタッフも兼ねている事が多い。
場合によってはコンサートの一時中断まで判断できる立場であるがゆえに、
各セクションへの知識と高いコミュニケーション能力・判断力が求められる
ポジションだ。よってやはりある程度のベテランでないと務まらず、
このポジションは会社ではなく、個人指名で発注される事が多い。
特効スタッフ
特効は特殊効果の略で、コンサートの場合は視覚的効果を狙うものだ。
コンサートに必須のものではないけど、規模が大きくなればよく
使われるようになってきている。エアショットやCo2などは結構一般的。
エアショットはコンサートのエンディングなどでアルミテープや紙吹雪を
一気に会場に向けて放出させるもの、Co2は二酸化炭素のボンベを使って
勢いの強い煙を出す。芸人が罰ゲームの時に食らうアレだ。
その他のドライアイスを使った雲のような効果や、水や火を使う効果などを受け持つ。
リハーサルがほとんど出来ず一発本番な上に仕込みが大変なことから、
数名の専任スタッフが付く。
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35:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/06(月) 19:18:40 ID:KYjv0Na4
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楽器スタッフ
アーティストに近い位置にいて、ローディーと呼ばれる。
まあ実際気が荒い奴も多いけど乱暴者という意味のRowdyではなく、
巡業とか遠征とかいう意味のRoadから来ている言葉だ。(綴りはRoadie)
日本の場合は自らもプレーヤである人が多く、若い人が勉強のために師匠の
ツアーに同行するみたいなパターンも多いけど、アメリカなんかは専門家が多いので、
下手すれば自分の親ぐらいのローディーと組むこともある。
ローディーはリハーサルまでにドラムセットやギター・ベースアンプや
キーボードなどのセッティングをして、ドラムはヘッドを、ギター・ベースは
弦を張り替えチューニングをして待機する。
本番中は楽器の持ち替えなどの対応や、トラブルに対応するために舞台袖でステージを
監視する。音に関するスタッフではあるけど、PAスタッフとの役割分担はしっかりと
線引きがされていて、お互いのセクションに手を出すことはあまりない。
通常は1名程度だが、規模が大きくなったり転換が多い現場では複数名で対応する。
トランポスタッフ
トランスポーテーション(Transportation)つまり移動という意味で、
ステージ用語としては舞台装置や音響・照明・楽器の機材を会場から会場まで
運んでくれるスタッフのことだ。まあぶっちゃけて言ってしまえばトラックの
運ちゃんなんだが、渋滞があろうが悪天候だろうが精密機械の多い機材を、
確実に時間通り会場に運んでくれる優秀なトランポ屋さんは
他のセクションから絶対的な信頼を受けている。
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36:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/06(月) 19:21:29 ID:KYjv0Na4
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その他このクラスになるとコンサート自体を仕切る表方が必要になり、
一般的にはプロモータとかイベンタなどと呼ばれる興行主が取り仕切る。
イベンタは、コンサート企画の立案から始まり、出演交渉・主催者決定・
協賛獲得・印刷物手配・スタッフ手配・チケット発行・交通宿泊手配などを事前に行う。
みんなの所属している事務所とプロモータが契約をする形になるわけだな。
現場では以下のようになスタッフがいる。
・運営スタッフ
・受付スタッフ
・警備スタッフ・
・搬入搬出スタッフ
・ケータリングスタッフ
・物販スタッフ
運営スタッフ
コンサート自体の運用に関わる事柄を担当し、会場への支払や表方全体の指揮を行う。
通常はプロモータの社員+αが担当する。
受付スタッフ
当日券を売ったり、電話に応対したり、チケットの半券を取る「もぎり」などを担当する。
アルバイトが多い。
警備スタッフ
会場内外の警備を行う。この中には駐車場の誘導や、入場時の整列・開演中の会場及び
楽屋警備など様々なものがあり、通常はプロモータが警備を専門とする会社に
スタッフ発注してリスク回避する。
音楽のジャンルによっては観客が暴れたりする状況もあるし、アイドル系では盗聴盗撮などにも
気をつけなければならず、専門の業者に依頼した方がプロモータは楽だからだ。
逆に荒れる心配のほとんどないイベントではプロモータが警備スタッフとして
アルバイトを雇うこともある。
搬入搬出スタッフ
専門知識が不要な「力仕事要員」で、警備スタッフなどが兼任することも多い。
まんまだが、「バイト君」と呼ばれる人たちがこれ。
コンサート規模が大きくなると数十名単位で必要なので、
プロモータは様々なルートでアルバイトを集める。
たまにアルバイト情報誌に載ったりもする。
ケータリング
簡単に言えばアーティスト(規模が大きくなればスタッフも)の飲食などの
ケアをするスタッフのこと。小規模な場合は1名常駐して、クーラーボックスの中に
飲み物を入れて、スナック菓子とコーヒーを用意して、
お昼時にスタッフにお弁当を配るといった感じ。
規模がでかく外タレなどケータリングに対しての要求が細かく厳しい時は、
複数名で対応することもある。指定が細かいのは宗教上の禁忌のように
納得感のあるものの場合もあれば、嫌がらせのようなものまで様々だ。
「ミネラルウオータ(エビアン以外不可)の350mlをよく冷やしたものを、
開演のの5分前に6本用意せよ」というような細かい指定や、
フライドチキンの調理方法の指定があったりする。
レゲエイベントなんかでは飯を食うだけに来ているやつがアーティスト以上にいたりする。
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37:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/06(月) 19:24:02 ID:KYjv0Na4
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物販スタッフ
その名の通り、会場内でアーティスト関連のグッズやCDなどの販売をするスタッフで、
事務所の関係者が行うこともあるが、ほとんどの場合はイベンタ手配のアルバイトが
受付などと兼任する。メジャーアーティストになると物販で100万越えも珍しくないので、
会場の一等地に場所を構えるのが普通。
開演前と会場後の僅かな時間しか販売時間がないので、大規模なイベントだと10人以上の
体制になることもあるが、ホールクラスだと通常4名程度。
その他スタッフ
野外コンサートになると、会場設備(トイレなど)の専任スタッフや、電源(発電機)の
専任スタッフなど様々な人たちが一つのコンサートに集合する。
またこれに放送局が関係してくる場合は、中継車やテレビのスタッフが加わるし、
ライブレコーディングされる場合にはレコーディングのスタッフも参加する。
ただテレビやラジオそれにレコーディングは、音響照明と全く別組織が乗り込んで
くることが多いので、あまり連携はなく、むしろ現場では仲が悪い。
これはお互いの要求がぶつかることが多いためで、この辺は舞台監督がまとめる。
まあでも、テレビ局と大手広告代理店の態度のでかさは異常。
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51:当方名無し、全パート募集中:2010/12/23(木) 16:37:36 ID:NoSfYnDk
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当方パフォーマー側の立場なんですが
PA屋のオペのやつがサンニンメをパシリの如く現場で罵ったり
怒鳴り散らしたりするのって何とかならんのですか?
もちろん全てのPA屋がそうではないんだろうけど
現場ギスギスし過ぎで心地よくないことがある。
あと>>37にもあるように組織ごとに露骨に仲悪すぎw
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54:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/24(金) 13:28:07 ID:Tpdi+t+g
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>>51
全音響屋を代表して謝る。すまんかった。
ところでサンニンメって何?
若けぇ衆の事だと思ってレス。違ってたらごめん。
言い訳だが、PAの現場ってのは、時間がないか、もの凄く時間がないかのどちらか。
その中でトラブルを防ぐのため、厳しく部下に伝える必要もある。
でもその場を離れるわけにいかず、ステージとPA席は離れているため、
みんなに怒鳴り声が聞こえてしまうってのはある。
人によっては、仕事しているアピールも兼ねていることも。
ただ怒られているほうは公開処刑だし、(PA屋の若けぇ衆がすぐ辞めるのもこのあたりに
理由がある)いやな空気を作ってしまうしと、いいことはひとつもないので、
理由はあっても怒鳴り散らすってのはPA屋のレベルが低いと言ってもいいと思う。
大きな現場ではわりと起きにくい話なのは、エンジニアのレベルが高いのに加え、
スタッフ自体の質が高いというのも大きいと思う。(つまり怒鳴る必要がない)
組織の仲が悪いのは、基本的にいっぱいいっぱいでやっているPAにTVと代理店は
上から目線で面倒なことを押し込んでくるから。リハが終わってるのに、
ケーブル持ってきて「アウトくれ、あと1kHzも出してくれ」って急にいってきたり、
「展示物の邪魔だからスピーカの位置動かしてくれ」とか言ってきやすい。
レコーディングは音響屋同志なのでまだいいけど、マイクアレンジとか中音とかでもめることも
照明はお互い様という感覚はあるものの、やはり時間を多めに持って行くイメージがある。
まあ音響屋から目線に限らず、どのセクションも他のセクションのリクエストは
面倒で時間がかかるものなので、大人にならないとなかなか笑顔で対応できない。
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62:当方名無し、全パート募集中:2010/12/25(土) 00:26:56 ID:FJjKQZ1V
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>>54
ご親切にありがとうございます。
3人目って会社ごとの方言みたいなもんかも。
フロアオペでもモニタオペでもない若けぇヤツをそう呼ぶみたいです。
よく見かけるPA屋は遠くから叫ぶのもあるし
若けぇヤツの目の前で「ジャマだ!」「帰れ!」とかよく怒鳴り散らしてます。
いろんなPA屋を見たわけじゃないんで
全部が全部あんなに怒鳴り散らしてるわけじゃなさそうで安心しました。
音だけ作るんじゃなくて場の雰囲気ってもんも作って欲しいですね。
作らなくてもいいから壊さないで欲しい。
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67:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/27(月) 00:16:53 ID:so0n1JaD
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>>62
あー、そういう意味ね。割と面白い表現だとは思うけど、
それって、本人が自嘲的に言えばの話で、上からいう言葉じゃないような…
ステージ(マン)といういい方が多いかな?
>「ジャマだ!」「帰れ!」
これはないわーー。「なんでまだ出来てないんだ!」「ボケ!回線が違う」ってのなら、
まだ進行第一に考えている成分を感じられるけど…。
まあ、だいぶ減ったけど個人のPA屋って自分で機材を持っているので、
そんなんでも仕事として成り立ってしまう部分もあって…。
実は私の周りにもそういう人がいるんですが…w
でも、モニ卓組めるぐらいだから結構な規模のPA屋なんだよね…?
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69:62:2010/12/31(金) 04:25:00 ID:OTOZKziz
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>>67
いつも丁寧親切にありがとうございます。
> まあ、だいぶ減ったけど個人のPA屋って自分で機材を持っているので、
> そんなんでも仕事として成り立ってしまう部分もあって
まさにそんな感じで、一流PA会社に勤めてたおっさんが
独立して個人の店を始めたって感じです。
きっと「なんでまだ出来てないんだ!」が発展して
「ジャマだ!帰れ!」になってるとは思うんですが
前の一流PA会社でもそういう教育を受けていたんじゃないかと・・・。
モニ卓はサンニンメを説明する上で出しただけなので
実際はフロアオペの直下がすぐにサンニンメ(パシリと呼んだほうがいいかも)
っていうケースが多いです。
見るたびに別の若いニイちゃんになってるんだよなぁ。
育てる気ないんすか?って感じがする。
テレビ業界も下っ端には扱いが酷いって聞くし
やりたいやつだけやればいい、って考えの人が多いんですかね。
そんな態度の人にこっちもあれこれ注文つけづらいわ。
腕は確からしいから本人への仕事がなくなることはないらしいけど。
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71:TOSS ◆8x8z91r9YM :2011/01/01(土) 01:41:41 ID:2uq0zfX7
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みなさま明けましておめでとうございます。
>>69
>腕は確からしいから
正直、腕といっても大した話じゃないんですよ。大学レベルの学力要求されるわけでもなし、
失敗したら二度と仕事が出来ないほどの重要度もないし。
なので、一番要求されるコミュ力がない時点で、その人は腕がないんです。
自虐的に言えばエンジニアの代わりはいくらでもいるので、バンドが事務所側にあの人ちょっと…って
話が出てしまった時点で、次はなくなります。
まあでも、そう人に限って媚びるべき人を見抜く能力はあったりするんですけどねw
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38:TOSS ◆8x8z91r9YM :2010/12/06(月) 19:24:46 ID:KYjv0Na4
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…ということで、資料として作ったものは終了♪
質問などあればどうぞ。
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