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菅前首相の怒鳴り込みビデオあった

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東京電力福島第1原発事故調査委員会で、質問に答える東京電力の武藤栄顧問(共同)
東京電力福島第1原発事故調査委員会で、質問に答える東京電力の武藤栄顧問(共同)

 東京電力福島第1原発事故発生5日目の昨年3月15日早朝、菅直人前首相(65)が、東電本店に乗り込み、現場からの作業員撤退をめぐって東電幹部らを厳しく叱責(しっせき)する様子を記録した映像が存在することが14日、分かった。国会が設置した事故調査委員会が開いた第6回委員会で、明らかになった。

 同委員会によると、東電本店や第1原発の免震重要棟をつなぐテレビ会議システムで録画されていた。画像を見た委員会側によると、菅氏が激高する画像はあるが、音声は入っていなかったという。

 菅氏は東電が撤退を検討していると伝えられたことを受け、15日午前5時半すぎ、東電に押しかけ、会議室で「命を懸けてください!」と大演説をぶった。事故直後に「撤退などあり得ない。撤退した時、東電は100%つぶれる」と怒鳴ったと報じられた。

 画像には、菅氏と当時の清水正孝東電社長が会談していた午前6時20分ごろ、第1原発の吉田昌郎所長(当時)がハッとした様子で後ろを振り向き、ヘルメットをかぶる様子も記録されていた。この時まさに、4号機で爆発が起きていた。

 東電はこれまでこの画像を公開していない。14日、今後も社内資料として公表しない方針を示したが、また隠蔽(いんぺい)体質との批判も出そうだ。

 委員会側は、参考人として出席した当時副社長の武藤栄顧問に対し、「初動時のビデオはなく(菅氏の)問題の場面も音声がない。普通にボタンを押せば録画できるはずなのに、なぜか」とただした。武藤氏は「経緯は知らない」とだけ述べた。武藤氏は菅氏の怒鳴り込みについて、「早朝に来られ、我々が全く考えていない全員撤退のことを言われ、あり得ないと思った。違和感があった」として、検討したのは一部を残す避難だったと強調。官邸から海水注水停止指示が出たことについても「理解できなかった」と、菅氏らの“介入”に不信感を示した。

 [2012年3月15日9時12分 紙面から]







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