名古屋グランパスのMF小川佳純選手会長(27)が14日、名古屋市中区の松坂屋名古屋店で東日本大震災の復興チャリティートークショーに出演し、「チャリティーマッチ」開催プランを明らかにした。震災から1年が経過したが、支援の動きを終わらせないための具体策として提案。自ら被災地へも足を運んだ小川が、グランパス選手会として「できること」を探していく。
サッカー選手として、日本人として、続けなければならないことがある。小川は「失ったものはなかなか元通りには戻らない。時間がかかる。被災者のことを忘れず、支援を続けていくことが大切だと思っています」。グランパス選手会を代表し、引き続き被災者をバックアップしていくと力強く誓った。
口先だけではない。小川の頭にはすでに具体策がある。「チャリティーマッチ」はその一つだ。「今年はJリーグの試合が土曜日開催になった。それなら日曜日に集まって何かできるんじゃないか。チャリティーの練習試合だっていいし、チャリティーオークションだっていい。選手から意見を募って話し合いたいと思います」と語った。
チャリティーマッチは昨年一度実現している。4月2日、豊田スタジアムに広島を招いて練習試合を実施。1000万円以上の義援金を被災地へ送った。ただし、当時はリーグ中断期間だった。仮にリーグ戦翌日に再び開催するとなれば肉体的負担が大きいが、そんな困難を排してでもやる必要があると小川は言う。
小川は被災地で目にした光景を心に刻んでいる。「両親を亡くした子どもが、元気に遊んでいたんですよね…」。昨年7月、日本プロサッカー選手会の活動で岩手県宮古市を訪問。津波の爪痕が残る街で、子どもたちの笑顔にふれた。「忘れちゃいけない」と思いを強くした。
当面はJリーグ、ACLと過密日程が続く。チャリティーマッチの実現には課題もあるだろうが、大切なのはこの気持ち。選手会長・小川は遠く被災地を思って心を砕いている。 (木村尚公)
◆復帰は先延ばし?
小川のグラウンドへの復帰はさらに先延ばしになる可能性が出てきた。右すねの強度の打撲で開幕の清水戦を欠場。14日は別メニューで簡単なボールを使ったトレーニングなどに励んだ。小川は「走るのは大丈夫だけど、まだボールをけるときに痛みがある。17日のFC東京戦? わからない。25日の新潟戦には何とかと思いますが」と見通しを語った。故障中のMF中村がFC東京戦を欠場するとみられ、小川も欠場となると、チームにとっては大打撃だ。
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