チェン　デビュー戦開幕投手も　指揮官「候補は２、３人」

　オリオールズに入団した台湾出身のチェン・ウェイン投手（２６）＝前中日＝が異例のデビュー戦開幕投手を務める可能性が出てきた。ショーウォルター監督が１２日、フロリダ州ダンイーデンで４月６日のツインズとの開幕戦について２、３人を先発候補に挙げていることを明かし、その１人をダークホースの「ワイルドカード」と表現。今後の内容次第で、チェンを抜てきするサプライズもあるようだ。チェンはこの日、ブルージェイズ戦でオープン戦２度目の先発登板。３イニングを２安打１失点だった。

　じれったいが、それだけ興味をそそる。ショーウォルター監督が今季の開幕投手についてなかなか口を割ってくれない。しかも、球団公式サイトなどによると、候補の一人を「ワイルドカード」と表現。新入団のチェンのサプライズ指名が現実味を帯びてきた。

　「何人かの候補はいるよ。ただ、開幕投手をウチのナンバーワンとしては見ていないんだ。われわれが見て『ＯＫ』であれば、そいつが一番先に投げるということ」と指揮官。昨季開幕投手を務めたエース格のガスリーをロッキーズにトレード放出したことで現在は横一線という。

　球団地元紙ボルティモアサンは、昨季１０勝のアリエッタのほかマティス、ハンター、ロ軍から移籍したハメルの名を挙げ、指揮官が考えるワイルドカードをチェンと予想した。和田毅投手（３１）については左肘の異常で２週間近く出遅れていることから、開幕ローテに残るかすら微妙な情勢。開幕投手の候補からは外れているという。

　チェンはこの日のブルージェイズ戦に先発し、３イニング、５２球を投げ、２安打２奪三振１四球の１失点。中４日の２度目の登板で負け投手となり、「最初の２回は少しテンポが悪かった。３回から全体的に良くなった」と反省を口にした。

　１回は三者凡退に抑えたものの、２回は２死二塁からラスマスにスライダーをとらえられ、適時二塁打を許した。ただ、ツーシームでバットの芯を外すなど収穫も多く、本人は「メジャーでは絶対に必要。いい感じだった。いろんな球を試すことができた」と前向き。指揮官も「成長することがより大事。彼のことは満足しているよ」と及第点をつけた。

　チェンは開幕投手の可能性があることに対して「自分の投球に集中して頑張る」と気に留める様子はない。チームは４年連続でア・リーグ東地区最下位に沈み、１４年連続負け越し中。今はチームの再建を図るべく、自分の仕事に徹するだけだ。