日銀総裁:屈すれば自殺行為-政治圧力から金融政策守る姿勢
3月14日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は、金融政策を政治的圧力から守る姿勢を示した。日銀が2月の金融政策決定会合で資産買い入れ等基金の増額などの追加緩和に踏み切ったことで、金融政策に対する政府の影響力が強まりつつあるとの観測が高まっていた。
日銀は今月13日の決定会合で、審議委員の1人が示した資産買い入れ等基金のさらなる増額案を反対多数で否決。代わりに長期的な成長基盤を強化するための資金供給の拡大を決めた。白川総裁は会合後、記者団に対し、政治に屈すれば「自殺行為」となると述べた。
先月の会合で追加の緩和策を打ち出すなか、円相場は対ドルで昨年10月に付けた戦後最高値から一段と下落し、国内輸出企業のリスク低下につながった。同時に、資産買い入れ拡大は日銀が国債引き受けに近づいているとの懸念を高めると、JPモルガン・チェースは指摘する。
アール・ビー・エス証券の西岡純子チーフエコノミストは、日銀は政府からの独立確保を強く望んでいると述べた。同氏はその上で、日銀は今回は見送ったものの、近い将来、恐らく来月の会合で資産買い入れ拡充を決める可能性があるとの見方を示した。
デフレ脱却と成長促進のためにより積極的な措置を求める政治家からの声が再び強まるなか、白川総裁は記者団に対し、政治的な圧力によって日銀が金融政策を変えることはないと説明した。
原題:Shirakawa Seeks to Distance Bank of Japan From PoliticalPush(抜粋)
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更新日時: 2012/03/14 11:32 JST