石井正弘知事は14日、野田佳彦首相が東日本大震災で発生したがれきの広域処理で都道府県に協力を求める方針を示したことを受け、受け入れの検討に着手する考えを明らかにした。月内には環境省職員による県内市町村向けの説明会を開き、受け入れの条件や課題を協議する。
知事は取材に対し、受け入れ自治体が行う放射線量測定や処分場拡充への国の財政支援策などを評価。「国の方針が出たので(がれき処理を)検討できる状況が整った。できるだけ被災者の気持ちに寄り添い、市町村とともに受け入れに向けた検討をしていきたい」と話した。
ただ県は自前の処分施設を持っていないため、処分場を持つ市町村とともに受け入れの可否を検討し、協力が得られた場合に県が支援する形を取る。月内に予定されている説明会では、環境省職員ががれきを受け入れる自治体への財政支援策や放射能への安全対策などを説明し、各市町村から意見を聞く。
県はこれまで、がれきの受け入れには国が明確な安全基準を示すことなどを条件としてきた。野田首相が13日、政府一丸となってがれき処理に取り組む方針を示したこともあり、受け入れの検討に乗り出す。
環境省によると、岩手、宮城、福島3県の沿岸市町村で発生したがれきは計2252万トンで、処分済みは12日現在で6・7%。