東京電力福島第1原発事故の原因などを調べている国会の事故調査委員会(委員長、黒川清・元日本学術会議会長)は14日、東京都内で第6回委員会を開いた。東電本店や同原発などを結ぶテレビ会議システムの録画映像から、昨年3月15日早朝、東電幹部が本店に来た菅直人前首相への対応中、4号機の爆発があったことが明らかになった。
映像では、菅前首相が作業員の撤退をめぐって東電の清水正孝前社長らを叱責する様子が記録されていた。吉田昌郎(まさお)同原発前所長もシステムを通じて菅前首相に対応していた時、4号機で爆発が起きた。東電幹部と菅前首相のやりとりは約50分間だったという。
この日の委員会に出席した武藤栄(さかえ)前副社長は「別の幹部が原発の運転状況を確認していた」などと述べ、菅前首相への対応による作業への支障は否定した。【奥山智己、岡田英】
毎日新聞 2012年3月15日 東京朝刊