政治埋蔵電力、真夏の夜の夢 首相の思いつきに現場困惑+(2/3ページ)(2011.7.23 16:44

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埋蔵電力、真夏の夜の夢 首相の思いつきに現場困惑

2011.7.23 16:44 (2/3ページ)
各地域の自家発電能力

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各地域の自家発電能力

 東京・東北電力管内だけでなく、関西にある企業も関西電力と政府による節電要請への対応で手いっぱいで、自家発を保有していても売電の余裕は少ない。関西電力が今夏に自家発から購入する積み増し電力は12万キロワット。八木誠社長は「これ以上を見込むのは非常に厳しい」とする。管内に自家発設備が多い東京電力も、自社供給力の3%にあたる160万キロワットを買い取るが、「電力使用制限令で企業も自家発への依存を高めており、これ以上は難しい」(藤本孝副社長)とみている。

 もともと首相が埋蔵電力に対して「魅力的な言葉」と応じたのは、今月6日の参院予算委員会。だが、その後の答弁書によると、経産省は今月4日時点の推計として上積みできる電力供給力を報告していた。それによると、1万キロワット以上の火力発電設備を持つ事業者177社への聞き取り調査の結果、自家発による電力供給の積み上げの推計は約160万キロワットだった。

大半は売電不可能

 実は、沖縄を除く全国の自家発電設備は計3141カ所、出力にして約5368万キロワット(今年3月末現在)ある。ただ、電力会社への売電を事業としている卸供給設備を除けば約3440万キロワット。このうち約260万キロワットはすでに電力各社と売電契約を結んでいる。残る約3200万キロワットについては、本来の目的である自家使用に加え、設備を休廃止していたり送電線への系統接続がないなど、売電は事実上、不可能だ。

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