2012年1月16日 13時19分 更新:1月16日 14時29分
田中直紀防衛相は16日、防衛省で一川保夫前防衛相から引き継ぎを受け、閣僚として本格始動した。だが、田中氏が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)県内移設の年内着工に言及したことなどに野党は反発しており、多難な船出となりそうだ。
引き継ぎ式で一川氏は、普天間飛行場移設問題について「引き続きの大事な課題だ。よろしくお願いしたい」と要請。田中氏は「一川氏には重要な案件を前進させていただいて心強く思っていた。私もしっかり引き継いでいく」と応じた。田中氏はこれに先立ち、省内での着任式で「沖縄の厳しい声を真摯(しんし)に受け止めながら、信頼関係を向上させていく中で、着実に進めていきたい」と述べ、改めて県内移設進展に意欲を示した。
しかし、田中氏は15日のテレビ出演で、「年内着工」発言のほか、国連平和維持活動(PKO)での武器使用基準と武器輸出三原則も混同して説明。自民党の大島理森副総裁は16日午前、党本部で記者団に対し「防衛相としていかがなものか。徹底的に追及していく」と述べ、通常国会で田中氏の資質をただす考えを示した。【朝日弘行】