2012年1月16日 12時26分 更新:1月16日 13時9分
週明け16日の外国為替市場は、前週末のユーロ圏9カ国の国債格下げを受け、欧州の債務危機への懸念が再燃し、ユーロ安が進んだ。円相場は東京市場で一時、1ユーロ=97円04銭までユーロが売られ、約11年ぶりの円高・ユーロ安水準となった。東京株式市場もほぼ全面安の展開となっており、投資家はリスク回避の姿勢を一段と強めている。
市場では他の格付け会社も格下げを行ったり、欧州金融機関も格下げされるのではないかとの懸念が浮上。「不安材料が払拭(ふっしょく)されない限り、ユーロが売られる展開が続く」(信託銀行)とさらにユーロが売り込まれることへの警戒感も根強い。安住淳財務相は同日、記者団に「ちょっと動きが急なので懸念している」と述べた。
また、欧州債務危機の震源地となったギリシャの債務削減を巡り、同国政府と銀行団との交渉がうまくいかず、無秩序な債務不履行(デフォルト)に陥るのではないかとの悲観論も台頭している。
米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日、債務危機を巡る欧州の対応策が不十分として、フランス、イタリアなど9カ国の国債格付けを1~2段階引き下げた。
16日正午現在、前週末午後5時比1円50銭円高・ユーロ安の1ユーロ=97円11~18銭で取引されている。
ドルの円相場は同15銭円安・ドル高の1ドル=76円83~85銭。【窪田淳】