原発事故の警戒区域で火災が起きたことを想定した訓練が福島県楢葉町で行われ、周辺の放射線量を測定しながら防護服やマスクを着けた消防士たちが消火活動に当たりました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故現場の周辺では、地元の消防が警戒区域の外に活動の拠点を置いているため、区域内で火災が起きた場合に対応の遅れが懸念されています。
13日の訓練は警戒区域の中心部で火災が起きたという想定で行われ、防護服とマスクを着けた消防士たちが放射線量の測定を受けて被ばく線量を確認しながら消火活動に当たりました。
警戒区域内ではほとんどの消火栓が使えないため、訓練ではホースをつなげておよそ500メートル離れた水源から水を補給して放水しました。
また、火が山林に燃え移った場合も想定して、県の防災ヘリコプターが上空から水をまく訓練も行われました。
双葉地方広域消防本部の吉田繁雄消防長は「消防隊員の被ばくを防ぎながら、迅速な消火ができるよう訓練を重ねていきたい」と話していました。
消防によりますと、警戒区域内では住宅火災や車両火災が4件起きているということで、国は今後、警戒区域内の5か所に無人カメラを設置して火災などの監視を行うことにしています。
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