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警戒区域 別の学校借りて卒業式

3月13日 22時8分

警戒区域 別の学校借りて卒業式

福島県南相馬市の小高中学校は、原発事故の警戒区域にあるため、別の小学校の体育館を借りて卒業式を行い、42人の卒業生が新たな一歩を踏み出しました。

南相馬市の小高中学校は、校舎が福島第一原発から20キロ以内の警戒区域にあるため、別の小学校の校庭に建てた仮設校舎で授業を続けています。
当初、3年生は128人いましたが転校が相次ぎ、13日の卒業式を迎えたのは3分の1以下の42人です。
小学校の体育館を借りて行った卒業式では、卒業生の長谷川聖南さんが「生徒は減り、本校舎での卒業式はかないませんでしたが、私たちには苦楽をともにしてきた仲間がいます。私たちは震災には決して負けません。これから多くのことを学び、ふるさとを再び取り戻すための担い手になることを誓います」と述べました。
式のあと、卒業生たちは仮設校舎の教室に戻り、担任の教師や友達との別れを惜しんでいました。
地元の高校に進学する南原茄奈さんは「自分の校舎で卒業式ができないのは本当に悲しいですが、みんなと卒業できたことは変わりないと思います。ふるさとの復興のためにできることを考えていきたいです」と話していました。
遠藤弘通校長は「自分の校舎から卒業させてあげたかったので残念です。こういう形の卒業式しかできませんでしたが、少しでも子どもたちの心に残ってもらえればと思います」と話していました。