東京電力福島第一原発から約50キロの福島県いわき市の海岸で採れた海藻中の放射性セシウムが、数カ月の間に20分の1〜70分の1へと急速に減っていることが、神戸大などの調査でわかった。海水中の濃度が落ちたためとみられる。16日から京都市で開かれる日本植物生理学会で発表する。
神戸大の川井浩史教授(藻類学)が、いわき明星大と共同で、いわき市永崎の海藻の放射性セシウム濃度を定期的に調べた。
乾かしたワカメ1キロあたりのセシウムは、昨年5月は約9500ベクレルあった。それが7月には666ベクレル、9月には479ベクレルと約20分の1まで減った。同様にアナアオサでは5月の約5900ベクレルから10月の80ベクレルまで約74分の1に、アラメでは5月の約1万1千ベクレルから10月の222ベクレルまで約50分の1に下がった。