韓国の大企業20グループ、約半数が三角持ち合い

 現代自動車グループや現代重工業グループ、韓進グループでも、持ち株会社制移行には少なくとも1兆ウォン(約730億円)以上のコストが掛かるとみられる。過去に持ち株会社制に転換したLG、SKが多額の現金負担を強いられ、中核事業で投資タイミングを逸したという指摘もある。ある大企業関係者は「持ち株会社制に転換するわけでもなく、単純に持ち合いを解消する程度で出資構造が改善されるのか。未来の成長産業に投資する資金が必要な中、持ち合い解消に数兆ウォン(数千億円)もつぎ込むことに何の意味があるのか分からない」と疑問を呈した。

 大企業が三角持ち合いの構造を持つに至ったのは、完成品から部品、資材に至るまで全てを生産する垂直系列化方式で事業を拡張してきたことと関連がある。経済発展の初期段階で、韓国政府は部品、原材料の国産化を掲げ、大企業の垂直系列化を促進し、その過程で株式の持ち合いが生じた。財界が政権や世論による三角持ち合い構造への批判を受け入れ難いと感じるのは、そうした理由からだ。

 海外では三角持ち合いに対する規制は特にない。日本ではトヨタ自動車が三角持ち合い構造を取っている。ドイツ銀行グループ、インドのタタ・グループも同様だ。日本では資本構造そのものよりも、株式の持ち合いにより、大企業が無秩序に事業を拡大し、経営効率が低下することが問題となっている。

■三角持ち合い(循環出資)

 大企業グループで系列会社がA社→B社→C社→A社のように循環的な形態で株式を持ち合うことを指す。通貨危機直後、韓国政府は系列会社の一部の業績が悪化すれば、他の系列企業の経営も連鎖的に悪化する懸念があるとして、株式の持ち合い解消を勧告した。現在は経営悪化防止の側面よりも、財閥オーナーの影響力を制限する手段として、持ち合い解消が叫ばれている。

趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) 2011 The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>