総本山大石寺境内案内

 総本山大石寺は、正式には「多宝富士大日蓮華山大石寺」と称し、正応三年(1290)十月、宗祖日蓮大聖人の法嫡・第二祖白蓮阿闍梨日興上人によって開創された。寺号の大石寺は、地名の大石が原に由来する。開基檀那は、富士上野郷の地頭・南条時光である。



奉安堂(ほうあんどう)
 宗祖日蓮大聖人の出世の本懐たる本門戒壇の大御本尊を厳護し奉る堂宇であり、ここで御開扉が行われる。第六十七世日顕上人の発願のもと、僧俗の浄財によって平成十四年の宗旨建立七百五十年に建立された。建築面積三千九百二十九坪、高さ五十五m。五千四の信徒席をそなえる。


平成19年1月3日撮影
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三 門(さんもん)
 第二十五世日宥上人の発願により、六代将軍徳川家宣室・天英院の寄進を受け、享保二年(1717)八月に完成したものものである。昭和六年、第六十世日開上人のとき、桧皮葺を銅葺に改め、さらに昭和十年、丸柱の入れ替えなど、大改修が行われた。昭和四十一年、静岡県の有形文化財に指定されている。間口約二十四m、奥行約十一m、高さ約二十二mの大楼門である。
 Top                                      ↓ 平成19年1月3日撮影
総一坊・総二坊側から見た三門  塔中から見た三門

御影堂(みえいどう)
 御堂ともいい、嘉慶二年(1388)、越前法橋快恵作による宗祖大聖人等身の御影が安置されている。はじめ大永二年(1522)、第十二世日鎮上人によって小御堂が建立され、寛永九年(1632)、敬台院の寄進によって再建造営された。その後修理が加えられ、昭和四十六年に大改修が施され、御宮殿、金箔の丸柱、彫刻など、寛永九年造立時の荘厳華麗のままに復元された。間口二十五m、奥行・高さ二十三m。昭和四十一年、静岡県の有形文化財に指定された。
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六 壷(むつぼ)
 正応三年(1290)十月、日興上人の創建で、大石寺発祥の霊域である。はじめ六室に分かれていたところからこの名がある。現在の建物は、昭和六十三年十月、第六十七世日顕上人の発願により新築再建された。十間四面の平屋建て、総けやき造り。
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客 殿(きゃくでん)
 寛正六年(1465)、第九世日有上人が創建され、以来、数度にわたる再建が行われている。現在の建物は、平成十三年三月、第六十七世日顕上人発願により、新築されたものである。間口・奥行とも約五十m、高さ三十六m、千百十二畳敷の大広間がある。歴代法主上人が、毎朝、広宣流布祈念の丑寅勤行を修されるほか、多くの法要が執り行われている。
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不 開 門(あかずのもん)
 客殿の正面に位置し勅使門とも称される。広宣流布の暁に開かれる門として、固く閉ざされている。平成十年客殿新築時に再建された。




平成19年1月3日撮影


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五 重 塔(ごじゅうのとう)
 第二十六世日寛上人が、六代将軍徳川家宣室・天英院とともに、起塔の志を立ててその基金を遺された。その後五代にわたる法主が素志を継ぎ、第三十一世日因上人が諸国に勧化して得た浄財と亀山城主・板倉勝澄の御供養によって、寛延二年(1749)に完成したものである。総本山の五重塔は東海道沿線随一の規模で、昭和四十一年六月には国の重要文化財に指定された。
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大 書 院(だいしょいん)
 書院は講義や客の接待をするところで、創立は江戸初期といわれ、昭和五十六年十月、第六十七世日顕上人により、大書院として復興新築された。百九十八畳敷の大座敷となっている。
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御 宝 蔵(ごほうぞう)
 第九世日有上人の創建。間口七・二m(四間)、奥行九m(五間)の規模をもつ銅棧葺の土蔵造り、周囲に堀が廻らされている。大聖人の御真筆御本尊、「諫暁八幡抄」「南条殿御返事」等の御真筆御書(重要文化財)、御歴代上人の御本尊等の重宝が厳護されている。
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熱原三烈士墓碑(あつわらさんれっしぼひ)
 弘安二年(1179)の熱原法難により、壮烈なる殉死を遂げた神四郎等の三烈士を顕彰するために築かれた墓碑。


                                  平成19年1月3日撮影
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新 六 万 塔(しんろくまんとう)
 平成六年四月、全国の僧俗一同が広布達成の大願を込め、六百億遍の題目を奉納して建立された大塔。右は宝永元年(1704)に建立された旧六万塔。


平成19年1月3日撮影

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鬼 門(おにもん)
 鬼門は、仏法に帰入する意を表す門で、享保二年(1717)、第二十五世日宥上人が建立。唐破風造りになり、昭和三十三年、第六十五世日淳上人のとき、桧皮葺を銅葺に改めた。
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大 坊(だいぼう) 
 正応三年(1290)、日興上人大石寺建立の基であり、総本山の主要な建物である。昭和三十七年、第六十六世日達上人のとき、再建された。大奥・対面所をはじめ、各役員室・内事部・会議室・学衆寮・厨房等、諸設備を完備した広大な建物である。平成十三年に拡充・新築された。
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宗 務 院(しゅうむいん)
 日蓮正宗の宗務行政を司る庁舎で、昭和五十六年十月に新築完成した。
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大 講 堂(だいこうどう)
 昭和三十三年三月、第六十五世日淳上人の代に落成した。建坪七百六十三坪、総延坪二千八百坪の鉄筋コンクリート七階建てである。大広間(七〇二畳敷)・会議室・富士学林教場等が設けられ、僧俗の教学研鑽の場である。
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中 講 堂(ちゅうこうどう)
 昭和六十三年一月完成。鉄筋コンクリート三階建ての建物で、富士学林図書館並びに約三百人の収容能力をもつ講堂からなっている。
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裏 門(うらもん)
 昭和六十三年十月に移転新築された。六壷正面参道の南端に位置する。
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中 門(二天門)(なかもん・にてんもん)
 二天門とも称し、寛永十五年(1638)、第十七世日精上人の建立。昭和三十四年、第六十五世日淳上人の代に改修を加え屋根を銅葺に改めた。
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鼓 楼(ころう)
 御影堂で法要を奉修する際に出仕太鼓を打つための楼。大正四年(1915)、第五十七世日正上人の代に改築され、その後平成二年四月に再建新築された。

平成19年1月3日撮影

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鐘 楼(しょうろう)
 時を告げる梵鐘がそなえられて楼で、明治四年(1871)、第五十四世日胤上人の代に改築され、その後平成二年四月に再建新築された。


                                      平成19年1月3日撮影

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法 祥 園(ほうしょうえん) 
 平成二年春、蓮葉庵南に造営された千六百坪余の広大な庭園。中央に明鏡池がある。
 


多 宝 蔵(たほうぞう) 
 平成二年四月、第六十七世日顕上人の代に建立。大石寺所蔵の貴重な古文書が収蔵されている。
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蓮 葉 庵(れんようあん)
 第五十二世日霑上人の代に建立。現在の建物は平成二年に再建新築された。
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お華水と閼伽堂(おはなみずとあかどう) 
 奉安堂の東、杉の巨木の下に湧き出る清泉を「お華水」と称する。古来、番僧が早朝にこの霊水を汲んで御宝前に供えている。閼伽堂は昭和四十八年十月に再建される。閼伽とは仏前に供える浄水のことをいう。
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十二角堂(じゅうにかくどう) 
 十二角に作られた堂宇であり、日興上人以来の御歴代先師の五輪の位牌を安置していることから位牌堂とも称される。貞享(じょうきょう)四年(1687)八月、第二十二世日俊上人のとき再建され、昭和三十五年十二月に新築された。
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御 経 蔵(おきようぞう)
 元禄十年(1697)、第二十四世日永上人の代に建立された。
 入母屋二層、屋根は銅葺で、内部には御書庫(輪蔵=回転書架)がしつらえてあり、明本一切経が格納されている。昭和四十八年十月、現在の場所へ移転新築された。
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大石寺墓苑・典礼院(たいせきじぼえん・てんれいいん) 
 昭和四十四年六月に完成した総面積約十一万u(三万三千坪・墓地数約一万六千基)の墓苑で、中央広場には管理事務をつかさどる典礼院(昭和五十九年七月新築)がある。
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大 納 骨 堂(だいのうこつどう)
 昭和四十四年に再建新築され、のち新たに低層部が増設し約二十五万体の遺骨を収容できる。
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塔 中(たっちゅう)
 三門を入り、幅広い石畳の参道の両側に建ち並ぶ十二の坊が表塔中である。いずれも日興上人・日目上人の御弟子方によって、正応三年(1290)より延元二年(1337)の間に創建された坊である。なお潤井川に沿って、裏塔中六カ坊、また西裏にも四カ坊があり、登山信徒の宿坊になっている。

平成19年1月3日撮影

(参道を中心に左右に塔中)

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蓮 蔵 坊(れんぞうぼう) 
 正応三年(1290)、第三祖日目上人の創建。宝永二年(1705)、第二十四世日永上人が再興して学頭寮とした。のち数度の改築を経て、昭和五十六年十月に再建新築された。
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浄 蓮 坊(じょうれんぼう 
 元弘元年(1331)、日目上人の弟子・伯耆(ほうき)阿闍梨日道上人(第四世)の創建。
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理 境 坊(りきょうぼう) 
 正応三年(1290)、日興上人の弟子・下野阿闍梨日秀の創建。

                                    平成19年1月3日撮影
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久 成 坊(くじょうぼう) 
 正応三年(1290)、日目上人の弟子・玉野太夫阿闍梨日尊の創建。
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百 貫 坊(ひゃっかんぼう) 
 正応三年(1290)、日興上人の弟子・摂津阿闍梨日仙の創建。はじめ上蓮坊と称される。

蓮 東 坊(れんとうぼう) 
 永仁二年(1294)、日目上人の弟子・三河公日蔵の創建。
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寂 日 坊(じゃくにちぼう) 
 正応三年(1290)、日興上人の弟子・二十家阿闍梨日華の創建。代官坊として塔中の首坊。

                                       平成19年1月3日撮影
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本 住 坊(ほんじゅうぼう) 
 延元二年(1337)、第四世日道上人の弟子・宮内郷阿闍梨二智日行上人(第五世)の創建。

平成19年1月3日撮影

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観 行 坊(かんぎょうぼう) 
 元応元年(1319)、日目上人の弟子・伊勢公日円の創建。


                                 平成19年1月3日撮影
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本 境 坊(ほんきょうぼう) 
 元亨元年(1321)、日興上人の弟子・治部公日延の創建。はじめ治部坊と称される。

平成19年1月3日撮影

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蓮 成 坊(れんじょうぼう) 
 正安元年(1299)、日興上人の弟子・越後房日弁の創建。はじめ乗観坊と称される。

                                      平成19年1月3日撮影

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了 性 坊(りょうしょうぼう) 
 永仁四年(1296)、日目上人の弟子・大学了性房日乗の創建。はじめ蓮仙坊と称し、蓮蔵坊の北側にあったが、第十七世日精上人のとき御影堂建立に際し、塔中の南端に移転した。


平成19年1月3日撮影

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南 之 坊(みなみのぼう) 
 正応三年(1290)、日興上人の弟子・少輔坊日禅の創建。はじめ少輔坊と称し、理境坊の北側にあったが、第十七世日精上人のとき塔中の南端に移転した。


                                       平成19年1月3日撮影

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雪 山 坊(せっせんぼう) 
 昭和元年、第五十九世日亨上人の創建。昭和三十九年に再建新築。
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石 之 坊(常唱堂)(いしのぼう・じょうしょうどう)
 享保九年(1724)、第二十六世日寛上人が、常唱堂建立発願と同時に日興上人説法石を記念して創建。
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説 法 石(せっぽういし) 
 常唱堂の東にある大石。日興上人が富士に移られて大石寺を建立されるまでの間、しばしばこの石上において、人々に説法されたと伝えられる。
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本 種 坊(ほんしゅぼう) 
 昭和三十六年、第六十六世日達上人の創建。
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東 之 坊(ひがしのぼう) 
 延享二年(1745)、第三十一世日因上人の創建。
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遠 信 坊(おんしんぼう) 
 元禄年間(1688〜1703)、遠信坊日具の創建
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報 恩 坊(ほうおんぼう) 
 元文五年(1740)、第三十世日忠上人の創建。
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妙 泉 坊(みょうせんぼう) 
 昭和四十四年十一月、第六十六世日達上人の創建。
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妙 住 坊(みょうじゅうぼう) 
 昭和四十四年十一月、第六十六世日達上人の創建。
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妙 遠 坊(みょうおんぼう) 
 昭和三十九年三月、第六十六世日達上人の創建。
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遠 寿 坊(おんじゅぼう) 
 昭和五十三年六月、第六十六世日達上人の創建。
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富 士 見 庵(ふじみあん)
 第六十五世日淳上人が、元禄年中(1700年頃)にあった富士見庵の旧名を復興して、昭和三十三年に浄蓮坊東隣りに新築した。
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総 門(そうもん) 
 大永二年(1522)、第十二世日鎮上人が建立し、寛永十五年(1638)、第十七世日精上人が再建した。古来、黒塗りであるため「黒門」と称される。
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広 布 坊(こうふぼう) 
 平成六年七月、第六十七世日顕上人の代に創建された。建坪九百八十四坪、高さ二十五m、鉄筋コンクリート造り二階建てで、本堂は千二百四十三畳ある。
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総一坊・総二坊(そういちぼう・そうにぼう) 
 登山者の宿坊である両坊は、総一坊が昭和六十三年十月に、総二坊は平成二年四月に落成した。それぞれ二階と三階には二百四十畳敷きの大広間が八室ずつ設けられている。
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総一坊      
平成19年1月3日撮影↑ 総二坊



常 灯 坊(とこひぼう) 
 昭和四十七年十月に完成した地上五階・地下一階からなる鉄筋コンクリートの建物で、別名開闡会館と称される。
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常 来 坊(じょうらいぼう) 
 昭和四十七年九月に完成。六百七十畳敷きの大広間には三千人を収容、五百人が宿泊可能。
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登山事務所(とざんじむしょ) 
 平成三年七月の登山方式の改正にともない、総一坊の一階に開設され、添書の受付や休憩・宿泊坊の手配など、登山事務の一切を行っている。
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