北朝鮮事情に詳しいある消息筋は１３日、「北朝鮮の国家安全保衛部の要員が、韓国国籍を取得した脱北者を中国で拉致するケースがこの数年間で相次いでいる」とし、「私が知っているだけでも８件以上あり、周囲から聞いたものを含めれば３０件以上になる」と話した。同消息筋は、「北朝鮮に拉致された後、公開銃殺された韓国国籍の脱北者数人の名前を知っているが、韓国にいる家族が拉致の事実を知らず、名前を公表することができない」と話した。

脱北者団体のＮＫ知識人連帯も、「北朝鮮内部の消息筋によると、昨年だけで、中朝国境で北朝鮮保衛部と軍所属情報機関の保衛司令部、国境警備隊の合同作戦によって拉致された元脱北者の韓国人は１５人にのぼる」と明らかにした。同団体は、３件の拉致を公表し、拉致された韓国国籍の脱北者の多くは処刑されたり、政治犯収容所に収監されたと伝えた。

公表されたケースによると、昨年２月２０日午後５時頃、両江道恵山市（ヤンガンド・ヘサンシ）と国境を挟んで接する中国長白県緑光村で、韓国人のキム氏が、両江道に駐留する保衛司令部７処と保衛部防諜課、国境警備隊の合同作戦によって、同行の中国人のテ氏とともに拉致された。両江道駐留１０軍団の保衛小隊に連行されたキム氏は３ヵ月間尋問を受け、国家保衛部に移送され、テ氏は恵山税関から中国公安に移送された。